2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a new polygenic risk-based method for cloning molecules related to schizophrenia pathophysiology
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22H03003
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
岩田 仲生 藤田医科大学, 医学部, 教授 (60312112)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 統合失調症 / ポリジェニックリスクスコア / 治療抵抗生統合失調症 |
Outline of Annual Research Achievements |
統合失調症は我が国の重要健康課題であるが、本病態に深く関与する遺伝要因の詳細や診断や治療に結びつく生物学的証左は未だに不明である。全ゲノム関連解析等のBig Dataが集積するにつれ関連遺伝子数は数百を超え指数関数的に増加することが判明し、統合失調症の遺伝要因構築は幾つかの主要な分子・システムではなく、多数の遺伝リスク(Polygenic Risk)と環境要因の相互作用として理解する認識論が主流となってきている。しかしPolygenic Riskは総体としての遺伝統計学的リスク値を算出するが、真の病態や治療法の起点となる分子システムを直接創出することはできない。そこで統合失調症と分子との因果関係が唯一証明されている抗精神病薬の作用点、すなわちドパミンD2受容体とそのシグナル伝達機構に着目し、莫大なゲノム情報からリスクを「濃縮」しリン酸化プロテオームの手法を駆使して、真の統合失調症関連分子を網羅的にクローングすることで、統合失調症病態解明の突破口を創出することを目的とする。 本研究では、(1) 既存ゲノムデータサンプルのDeep Phenotypingを行いPolygenic Risk Score毎の遺伝要因構築を基盤とした臨床情報と関連遺伝子データ解析プラットフォームを整備、(2) D2受容体アンタゴニスト存在下におけるリン酸化プロテオミクス解析による細胞内リン酸化タンパク質の網羅的同定、(3)1、2を連結することで、統合失調症の幻覚・妄想の分子機構のモデル構築を行い検証する。 本年度は、既存統合失調症GWASデータの解析を行い、日本人統合失調症PRSの分布を作成した。分位解析の中から、PRSがトップ1%の統合失調症症例を選出した。アクセス可能な症例に対してdeep phenotypingを実施中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
PRSがトップ1%の統合失調症症例を選出しdeep phenotypingを実施中であることから、Polygenic Risk Score毎の遺伝要因構築を基盤とした臨床情報と関連遺伝子データ解析プラットフォームの整備については順調に進捗している。一方で、D2受容体経路のリン酸化プロテオミクス解析については、実験の最適化段階であることから、全体としてやや進捗が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、統合失調症症例のdeep phenotypingを進める。同時に、D2受容体アンタゴニスト存在下におけるリン酸化プロテオミクス解析による細胞内リン酸化タンパク質の網羅的同定を実施していく。
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