2022 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内レドックス制御を司るがん幹細胞治療の標的トランスポーター画像診断薬の開発
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22H03016
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
川井 恵一 金沢大学, 保健学系, 教授 (30204663)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
間賀田 泰寛 浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 教授 (20209399)
国嶋 崇隆 金沢大学, 薬学系, 教授 (10214975)
玉井 郁巳 金沢大学, 薬学系, 教授 (20155237)
絹谷 清剛 金沢大学, 医学系, 教授 (20281024)
小林 正和 金沢大学, 保健学系, 教授 (30444235)
若林 大志 金沢大学, 附属病院, 講師 (60622818)
水谷 明日香 金沢大学, 保健学系, 助教 (00828452)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | がん細胞 / 治療標的 / トランスポーター / 画像診断薬 / レドックス制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
がんは本邦の死因の第一位を占め、ポストFDGがん診断薬の探索が急務となっている。がん細胞は、活性酸素種を多く産生するが、抗酸化システムにより細胞内の活性酸素濃度を制御することでがん細胞自身の生存を可能にしている。本研究は、独自の系統的なアミノ酸トランスポーター機能診断薬開発戦略を利用し、がん細胞の生存・増殖に必須であるレドックス制御に関与することからがん幹細胞治療薬の標的分子であるがん関連アミノ酸トランスポーター xCTに高親和性を示す新規分子標的がん診断薬の開発を目的とする。また、がん細胞内レドックスバランスイメージングにより得られるがん集積性とがん幹細胞治療効果との相関性を評価する。 これまでの検討において、既に独自に開発したsystem L,A,ASCなどのがん関連アミノ酸輸送系の寄与率評価法に加えて、がん細胞のレドックスバランスの維持に深く関与するがん幹細胞治療薬の新たな治療標的分子として注目されているがん関連アミノ酸トランスポーターxCTの基質であるシスチンおよびxCT阻害剤スルファサラジン(SSZ)の阻害効果に基づくxCTの属する輸送系system X-c の独自の寄与率評価法について、新規に考案した。 また、本年度はまず、SPECT診断への応用を念頭に放射性ヨウ素標識化合物の開発に着手した。標的xCTへの親和性保持に有利な標識部位や標識反応条件、化学的安定性も考慮した上でxCTに高親和性を示す標識体を分子設計した。標識原料を合成し、目的とする放射性ヨウ素標識体を高標識率で得る標識反応条件を見出した。この標識体について、xCT遺伝子発現率の異なる数種のヒトがん培養細胞への集積性や集積機序の検討を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、我々がこれまでに構築し検証してきた系統的なアミノ酸トランスポーター機能診断薬開発戦略を利用して、がん細胞のレドックス制御を司ることからがん幹細胞特異的な標的分子とされるがん関連アミノ酸トランスポーター xCTに高親和性を示す新規分子標的がん診断薬の開発を目的とする。加えて、がん細胞の生存・増殖に必須であるレドックスバランスイメージングが、がんの画像診断のみならず、がん幹細胞治療効果を含めた治療方針の決定や予後予測・予後判定に確固たる根拠を与える診断情報となり得る可能性を検証する。 本研究のように新たながん関連アミノ酸トランスポーター xCTを標的とする画像診断薬開発においては、開発した標識体のがん細胞集積における標的輸送系に対する親和性を評価する寄与率評価法の確立が必須となる。我々が既に独自に開発したsystem L,A,ASCなどのがん関連アミノ酸輸送系の寄与率評価法に加えて、xCTの基質であるシスチンおよびxCT阻害剤スルファサラジン(SSZ)の阻害効果を組み合わせることで、xCTの属する輸送系system X-c の寄与率評価法確立の目途がたった。 加えて、上記と平行してSPECT製剤の候補化合物として標的xCTへの親和性保持に有利な標識部位や標識反応条件、化学的安定性も考慮した放射性ヨウ素標識化合物を分子設計し、その標識原料を合成するとともに放射性ヨウ素標識体を高標識率で得る標識反応条件を見出した。さらに、この標識体について、xCT遺伝子発現率の異なる数種のヒトがん培養細胞を用いて、xCT遺伝子発現と標識体集積率の相関性や集積機序の検討を開始するなど、当初の研究計画に相当する成果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は、当初の研究計画通りおおむね順調に進展しており、標的性がん関連アミノ酸トランスポーター xCTの属する輸送系system X-c の寄与率評価系の確立など、がん幹細胞特異的な標的分子とされる新規分子標的放射性診断薬の開発の基盤は整った。また、標的xCTへの親和性保持に有利な標識部位や標識反応条件も考慮した新規放射性ヨウ素標識化合物を分子設計するとともに目的標識化合物を合成し、これまでのがん細部集積検討において良好な結果が得られていることから、研究計画変更の必要性あるいは研究を遂行する上での問題点は特にない。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] A single high-dose irradiation changes accumulation of methotrexate and gene expression levels of SLC and ABC transporters in cancer cells2023
Author(s)
Sato Kakeru, Seki Tatsuya, Mizutani Asuka, Muranaka Yuka, Hirota Shiho, Nishi Kodai, Yamazaki Kana, Nishii Ryuichi, Nakanishi Takeo, Tamai Ikumi, Kawai Keiichi, Kobayashi Masato
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Journal Title
Frontiers in Pharmacology
Volume: 13
Pages: 1069321
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Biological Distribution after Oral Administration of Radioiodine-Labeled Acetaminophen to Estimate Gastrointestinal Absorption Function via OATPs, OATs, and/or MRPs2023
Author(s)
Sato Kakeru, Mizutani Asuka, Muranaka Yuka, Yao Jianwei, Kobayashi Masato, Yamazaki Kana, Nishii Ryuichi, Nishi Kodai, Nakanishi Takeo, Tamai Ikumi, Kawai Keiichi
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Journal Title
Pharmaceutics
Volume: 15
Pages: 497~497
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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