2022 Fiscal Year Annual Research Report
Fluid Dynamics Analysis of CSF and Neuro Fluid using MRI
Project/Area Number |
22H03020
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
渡邉 嘉之 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (20362733)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 茂樹 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院, 講師 (40422969)
三浦 真弘 大分大学, 医学部, 講師 (50199957)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | グリンファティックシステム / MRI / 脳脊髄液 / カニクイザル |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は2匹のカニクイザルを用いて造影剤髄注後のMRI画像撮影、CH40を用いた組織病理学的検討を行った。 Gd髄腔内投与後実験では、投与前、投与直後、1時間後、2時間後、4.5時間後、24時間後に全脳、全脊髄のT1強調画像とT2強調画像を撮像した。2匹のサルでは髄液腔への造影剤の広がりが大きく異なった。1匹は造影1時間後には脳槽の広範囲に造影剤の広がりを認め、4.5時間後では脳実質も強く造影され、24時間後には脳実質の造影効果は残り、髄液腔はwashoutされていた。もう1匹のサルでは1時間後には造影剤の広がりが後頭蓋窩に限局し、4.5時間後ではシルビウス裂レベルまで、脳実質は小脳表面が造影されていた。24時間後には脳実質、髄液腔ともに造影効果は認めなかった。投与法も大後頭孔直接穿刺、チューブ留置での投与と異なっており、造影剤の広がりの違いが、個体差、投与法による差かを確認する必要がある。投与法よりは個体差が大きい可能性が高いと考えている。 O-17標識水髄腔内投与後実験では、大後頭孔からチューブを留置する手技を確立した。大後頭孔から下方に3cm程度チューブを注入し(頸髄レベル)からO-17標識水を注入した。この個体は髄液循環が遅い個体であり、注入したO-17標識水は大後頭孔周囲の脳槽内に分布するのが確認されたが、そこから別の髄液腔、脳内への移行を確認することは困難であった。1匹のCH40を用いた組織学的検討では、炭素粒子が脊髄神経節に分布すること、また眼球後面に分布することを確認している。2匹目は現在解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
カニクイザルの供給が限定されており、我々の研究計画に記載されている若年サルの確保が難しい状況となっている。今後、動物実験センターとも協力してカニクイザルの確保に努める。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度も髄腔内造影剤投与後のMRIによる脳脊髄液動態の検討、CH40を用いた組織学的検討を進める。昨年度の実験にて髄液動態に個体差があることが確認され、今後対象動物を増やして検討を進めていく予定である
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