2022 Fiscal Year Annual Research Report
外部刺激に応答するがん標的セラノスティックナノデバイスの開発
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22H03030
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kobe Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
向 高弘 神戸薬科大学, 薬学部, 教授 (30284706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 紘平 神戸薬科大学, 薬学部, 准教授 (00546476)
山崎 俊栄 神戸薬科大学, 薬学部, 講師 (60636710)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | セラノスティクス / 自己組織化ナノ粒子 / 核医学診断 / がん治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、生体適合性が高く、静電的相互作用に基づき簡便に合成可能な自己組織化ナノ粒子製剤の分子設計を応用し、がんの核医学診断と同時にがん特異的な治療を達成可能な、新たな自己組織化セラノスティックナノデバイスを開発することを目的とする。特に副作用を低減し、がん特異的な治療効果を得るために、全身スクリーニングを可能とする核医学診断によりがんの局在情報を得るとともに、がん部位への外部刺激を利用する新たな治療法の構築を目指す。すなわち、①がん部位への近赤外光照射による光温熱療法および②クリックケミストリーを介したがん部位での薬物放出促進を可能とする自己組織化ナノデバイス開発を実施する。本治療戦略は、核医学診断とactivatable型がん治療を融合し、関連付けて実施するという新たながんセラノスティクスの基盤を形成するものと期待した。 今年度は、①、②に適用可能な、外部刺激に応答するナノデバイスコアを複数種類作製し、それらの物理化学的特性を評価した。また、ナノデバイスコアが発熱効果や薬物放出能を示すことを明らかにした。特に、新規テトラジン誘導体を新たに合成し、それを含有する放射性標識リポソームについては、ジエノフィルとの化学反応を介して効率良く薬物を放出できる可能性を認めた。さらに、一部のカチオン性ナノデバイスコアについては、アニオン性ポリマーによる被覆が可能であることを示し、がん細胞への取り込みを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
自己組織化ナノデバイスのコアとして、①光温熱療法に適した金ナノロッドの放射性ヨウ素標識体および蛍光色素標識酸化鉄ナノ粒子、②クリックケミストリーを介した薬物放出促進を可能とする放射性標識リポソームを新たに作製することに成功した。また、粒子サイズやゼータ電位などの物理化学的特性について評価を進めた。 また、①放射性ヨウ素標識金ナノロッドについては、がんに高発現するCD44への結合親和性を有するヒアルロン酸誘導体で被覆した自己組織化ナノ粒子を作製することができた。さらに、CD44高発現がんへの取り込まれることを明らかにした。また、蛍光色素標識酸化鉄ナノ粒子については、レーザー照射に伴う発熱効果を確認し、細胞傷害を誘導できる可能性を示した。②リポソームについては、膜表面におけるテトラジン誘導体とノルボルネン誘導体の化学反応に基づき、内包薬物を効率良く放出させる手法の構築に成功した。さらに、生体内でのリポソームの非特異的な集積を低減させる目的で、リポソームの生体からのクリアランスを促進させる手法の構築を進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度開発したナノデバイスコア(放射性標識金ナノロッド、蛍光色素標識酸化鉄ナノ粒子、放射性標識カチオン性リポソーム)について、種々の条件でアニオン性高分子(ヒアルロン酸誘導体など)との自己組織化ナノデバイスを作製する。作製したナノデバイスの物理化学的特性や安定性について評価するとともに、近赤外光照射によるナノデバイスの発熱効果や、リポソーム膜におけるクリックケミストリーを介したリポソームからの薬物放出性について調べる。 各ナノデバイスの正常細胞への毒性について評価する。また、放射性標識ナノデバイスを用いて、がん細胞を用いた取込み実験を行う。さらに、がん細胞への高い取込みを認めたナノデバイスに関して、細胞傷害性を評価する。In vitro評価で有効性が示唆された放射性標識ナノデバイスについては、健常動物に静脈内投与し、各臓器への分布を経時的に測定する。
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Research Products
(8 results)