2022 Fiscal Year Annual Research Report
MRI technology for monitoring of brain clearance function during sleep
Project/Area Number |
22H03033
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Institutes for Quantum Science and Technology |
Principal Investigator |
住吉 晃 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 分子イメージング診断治療研究部, 主任研究員 (80612530)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 則雄 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (50415212)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | MRI / 睡眠 / 脳脊髄液 / 造影剤 / マウス |
Outline of Annual Research Achievements |
睡眠の重要な機能の一つに脳内に蓄積した老廃物を洗い流すクリアランス機能がある。この機能の破綻はアルツハイマー病に代表されるような認知症の原因の一つと考えられている。MRIを用いて睡眠中のクリアランス機能を可視化する新たな画像化技術の確立が求められている。本研究では脳脊髄液の各分子サイズに対応した新たなMRI造影剤の開発に着手する。将来的な臨床応用を目指しマウスを用いた前臨床の基礎研究を展開する。本研究では以下の3つの研究課題に取り組む。①タンパク質・ペプチド・糖のようなサイズの異なる溶質の排出能は睡眠でどのように変化を受けるのか?②第4脳室以外の脳脊髄液の流入・流出経路は睡眠中にどのように変化を受けるのか?③検査を簡便化するため電気生理信号を使用せずに機能MRIによる脳活性化マップから睡眠の判定が出来ないのか?研究代表者が開発した脳波計測システム、研究分担者が開発したマウス固定具をベースにして、覚醒下マウスにおいて、脳波・機能MRI・脳脊髄液の同時計測系を確立する。通常の機能MRIに使用する撮像法では、傾斜磁場コイルの影響で120dB程度の不快な騒音が出るため、騒音の低減が期待出来るZero-echo timeシークエンスを導入する。ただしコントラストの低下が懸念されるため、T1造影剤のガドリソームやT2造影剤の酸化鉄微粒子の使用を検討する。覚醒下の計測に効果がある、マウス専用のハーネス、耳栓、睡眠導入剤等の使用も検討する。アルファ波、デルタ波、シータ波、筋電図、電気眼球図の関係からオンラインで睡眠の判定を行うプログラムを開発する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度である本年度はMRIのガントリー中でマウスの覚醒計測が出来るように実験準備に着手した。量研機構に設置されている高磁場7T-MRIでは4チャンネルの極低温高感度プローブが利用可能である。プローブやベッドの形状に合わせてマウス頭部の固定具を開発しマウスが覚醒のままMRIの計測が出来るセットアップを確立した。画像ノイズの低減が期待出来る高速撮像のパラメータ設定、睡眠の判定に使用する脳波との同時計測法の開発、あるいは脳脊髄液への直接的な造影剤の投与プロトコルの検討などを行った。
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Strategy for Future Research Activity |
サイズの異なる溶質を想定した脳脊髄液のMRI分子イメージング技術を開発する。過去の研究ではガドリニウム錯体を大槽内に投与して、その動態をMRIで画像化する事で、脳脊髄液の流れを可視化してきた。しかし脳脊髄液にはタンパク質、ペプチド、糖などサイズの異なる溶質が存在している。代表的なサイズのレンジ、及び各種のT1陽性造影剤を髄腔内に投与し、どのような経路で分布・排出されるかを明らかにする。
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