2022 Fiscal Year Annual Research Report
Understanding the molecular pathomechanisms of neurodevelopmental disorders through identification of developmental CNS subsets by single cell analysis
Project/Area Number |
22H03038
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
粟屋 智就 京都大学, 医学研究科, 准教授 (20589593)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 雅弘 京都女子大学, 家政学部, 教授 (80579467)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 発達障害 / 動物モデル / iPS細胞 / 母体免疫活性化 / 抗てんかん薬 / 環境因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経発達症のリスク因子とされる母体の薬物摂取、感染症罹患などの非遺伝的要因が、発達期の中枢神経系に与える影響を分子レベルで解析するため、ラット母獣へのバルプロ酸(VPA)、リポ多糖体(LPS)、ポリイノシン酸・ポリシチジル酸(poly(I:C))の投与により、発達障害モデルの作成を試みた。また、iPS細胞より分化誘導した大脳オルガノイドとミクログリアに対し、LPS、poly(I:C)の投与を行い、免疫系の過剰活性化について検討した。 ラット母獣の免疫賦活化によるモデル作成においては、胎仔死亡や高度の成長障害などを伴い、作成条件による表現型のばらつきが示唆されたため、作成条件の最適化を行った。障害モデルでは、脳重量の差は認めるものの、明確な組織構築異常を認めなかった。単一細胞解析に用いるサンプルについて予備検討を行い、細胞核サンプルを用いることとした。iPS細胞を用いた免疫賦活化実験では、大脳オルガノイドと比して、ミクログリアにおいて、より顕著にインターフェロン応答や炎症性変化が観測された。現在、中枢神経系細胞とミクログリアとの共培養系を用いて、細胞間の相互作用を担保したモデル構築を進めている。 動物モデルに関しては計画に遅れがみられるが、基礎となるモデル動物の最適化は必須であり、丁寧に研究を遂行する。また、研究結果のヒトへの外挿性を検討するためのiPS細胞モデルについては着実に実験系が構築出来ており、このまま予定通り計画を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ラット母獣の免疫賦活化によるモデル作成において、胎仔死亡や高度の成長障害などを伴ったため、モデル作成条件の最適化が必要であったため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画通り、モデル動物の脳組織を用いて単一細胞解析を進め、研究成果をまとめる。
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Research Products
(3 results)