2022 Fiscal Year Annual Research Report
心臓特異的スーパーエンハンサーの相分離型転写ファクトリーによる転写機構の解明
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22H03066
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
塚本 蔵 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (80589151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 研 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (90826190)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 心臓特異的スーパーエンハンサー / 相分離型転写ファクトリー / ナトリウム利尿ペプチド遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は我々が同定した心不全感受性スーパーエンハンサーCR9に対して相分離型転写ファクトリーの概念を導入し、心臓特異的な転写反応の分子機序を解明することを目的とする。 まず、作成したCR9ノックアウトマウスにおいてナトリウム利尿ペプチド遺伝子(NppaとNppb)の発現が大きく抑制されていることを確認した。そしてCR9領域がNppaおよびNppb遺伝子領域のクロマチン修飾およびクロマチン構造に与える影響を検討するために、このマウスの心臓組織を使ったChIP-seqence、ATAC-sequence法を行うための基礎実験を実施した。いずれも解析に耐えうる十分なクオリティーを有するサンプルの作成に成功し、CR9KOマウスと野生型のサンプルをChIP-seqenceおよびATAC-sequence解析に提出した。 また、CR9を介したNppaとNppb遺伝子の転写ライブイメージングシステムを構築する目的で、CRISPR sirius法によるライブイメージングの導入を試みた。しかし、培養心筋細胞やその他の培養細胞(HL-1)を用いた実験でCR9領域を可視化することができず、CRISPR sirius法以外の方法を導入する必要があるとの結論に至った。そのため、新生ペプチド鎖追跡(nascent chain tracking:NCT)法やDNAおよびRNAscope法などを応用して転写イメージングを行うこととした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の想定に反して、CRISPR sirius法によるNppa-Nppb遺伝子の転写ライブイメージングが機能しなかったため。 その他の検討項目については順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
CRISPR sirius法を断念し、新生ペプチド鎖追跡(nascent chain tracking:NCT)法やDNAおよびRNAscope法などを応用したイメージング法を検討していく。
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