2022 Fiscal Year Annual Research Report
Golgi apparatus-centered organelle network in cardiac remodeling
Project/Area Number |
22H03070
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
筒井 裕之 国際医療福祉大学, 医学部, 副学長 (70264017)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬戸山 大樹 九州大学, 大学病院, 助教 (30550850)
絹川 真太郎 九州大学, 医学研究院, 准教授 (60399871)
松島 将士 九州大学, 医学研究院, 助教 (80552869)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 心筋リモデリング / 心不全 / ゴルジ体 / ミトコンドリア / 小胞体 / オルガネラ |
Outline of Annual Research Achievements |
あらゆる心疾患の終末像である心不全の病態基盤は、心筋細胞肥大・細胞死や間質線維化からなる心筋リモデリングであるが、その形成・進展には心筋細胞のミトコンドリアや小胞体などの細胞内小器官(オルガネラ)の機能障害が密接に関与している。ゴルジ体は小胞体で形成されたタンパクの翻訳後修飾および輸送を行うオルガネラであり、ミトコンドリア・小胞体機能とも密接に関連している。本研究は、『ゴルジ体異常が基盤となってミトコンドリア・小胞体機能障害を引き起こす「オルガネラネットワーク」が心筋リモデリング・心不全の形成・進展に関与する』という仮説を検証するとともに、オルガネラネットワークの起点となるゴルジ体の制御という独自のパラダイムに基づく新たな心不全の予防・治療法の開発を目指すものである。 当該年度から次年度にかけて、心不全における心筋CDK5およびゴルジ体形態異常の評価を中心に取り組んだ。具体的には、左冠動脈結紮による梗塞後心不全モデルマウスと横行大動脈縮窄による圧負荷心不全モデルマウスなどの心不全モデルマウスを用いて、CDK5蛋白発現量の変化と心不全の重症度、ゴルジ体形態異常、ゴルジ体ストレス応答シグナル、ミトコンドリア機能障害、小胞体ストレスとの関連の検討に取り組んだ。 特に、心不全モデルマウスを用いて、心筋リモデリングの評価として①心不全重症度(死亡率、心エコー、血行動態測定、心および肺重量測定) ②心筋病理組織(心筋細胞肥大、間質線維化、アポトーシス)を評価するとともに、ゴルジ体形態および下流シグナル制御機構の解析を行った。さらに、心筋細胞障害におけるゴルジ体の解析に取り組んだ。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在まで、心不全モデルマウスを用いて、心筋リモデリングの評価として①心不全重症度(死亡率、心エコー、血行動態測定、心および肺重量測定) ②心筋病理組織(心筋細胞肥大、間質線維化、アポトーシス)を評価するとともに、ゴルジ体形態および下流シグナル制御機構の解析を行った。 心筋障害モデルの確立が困難であったため、ゴルジ体を制御する因子の同定および心筋細胞における機能解析に時間を要したが、ゴルジ体の解析も含め、進捗状況としてはおおむね順調に進展したため。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、ゴルジ体形態異常の心筋リモデリングにおける意義の解明を進める予定である。 特に、心筋特異的CDK5遺伝子欠損マウスを用いた検討を行う。 具体的には、心筋特異的CDK5欠損マウスの心筋リモデリングおよびゴルジ体形態、ゴルジ体ストレス応答、ミトコンドリア機能、小胞体ストレスを解析する予定である。さらに、心筋特異的CDK5欠損マウスマウスに心不全モデルを作成し、野性型マウスに比し心筋リモデリング・心不全の発症・進展が改善するかについて検討する。また、CDK5以外のゴルジ体形態制御タンパクの同定を試みる。 今後とも研究を推進することにより、心筋リモデリングにおけるゴルジ体を中心としたオルガネラネットワークの解明の進展を目指す。
|