2022 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of metastasis mechanism by constructing in vitro cancer metastasis model
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22H03141
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
関根 圭輔 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, ユニット長 (00323569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木戸 丈友 東京大学, 定量生命科学研究所, 特任講師 (00401034)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | オルガノイド / がん |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは、これまでに間質を伴う正常組織の人為的再構成法を基盤として、日本人膵癌患者より分離したプライマリ膵癌細胞を用いて、膵癌微小環境を再現可能なヒトプライマリ膵癌オルガノイド作製法の開発に成功した。ヒトプライマリ膵癌オルガノイドはin vitroおよびin vivoにおいて高い抗癌剤耐性を示すことから、本技術は膵癌患者で見られる高い治療抵抗性を再現するための手法を確立したといえる。本研究では、膵癌治療および患者予後に決定的な影響を及ぼす転移について、特に膵癌で高頻度で起こる肝転移に焦点を絞り、ヒトプライマリ膵癌オルガノイドを用いた人為的な癌間質の操作とその特性解析、独自のシングルセルレベルでの解析手法を応用し、in vitro肝転移モデルの作製、およびシングルセルおよび空間的トランスクリプトーム解析により肝転移メカニズムを明らかにし、肝転移を標的とした創薬開発システムの構築と転移制御を試みる。本年度は転移の定着・増殖モデルとして癌細胞および肝細胞を様々な比率で混ぜ合わせた共培養を実施し、転移性肝癌モデルを作製した。共培養条件の検討は培地検討の他、様々なマトリクスの検討、培養容器など共培養のやり方の検討を実施し培養条件を決定し、端緒的に経時的な変化の観察を行った。またin vivoでの転移評価法について、転移モデルの構築した。解析方法についても条件検討を進めており、転移および立体的相互作用の評価法についての新たな技術の導入を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
in vitro共培養系の様々な条件検討を行い共培養の培養条件の設定を完了した。またin vivoでの転移評価法についても、条件検討を行い、その評価法についての新技術の導入が進んでおり、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
in vitroの相互作用解析とともに、in vivoでの相互作用検討のため、3次元的な評価方法を導入し、経時的な相互作用の変化について解析を実施する。また、相互作用分子を明らかにする目的でシングルセルRNAシークエンス解析等を中心にシングルセルレベルあるいは空間的な相互作用解析法の検討を行う。さらに、がん細胞側だけで無く、転移先臓器の生理状態が転移に及ぼす影響についても検討を行い、その際の相互作用の変化についても解析を検討する。
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