2022 Fiscal Year Annual Research Report
Immune molecular mechanism for enhancing antitumor potency of a next-generation oncolytic virus by pre-immunization
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22H03148
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
藤原 俊義 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (00304303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田澤 大 岡山大学, 大学病院, 准教授 (90415513)
黒田 新士 岡山大学, 大学病院, 講師 (60633758)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 癌 / 遺伝子 / 細胞・組織 / 医療・福祉 / トランスレーショナルリサーチ |
Outline of Annual Research Achievements |
生体は外来性の病原体や内因性の異質タンパク質に対して、細胞性免疫あるいは液性免疫を獲得してその恒常性を維持する。最近、病原体に対して獲得された既存のメモリーT細胞が、ウイルス製剤によるがん免疫療法の抗腫瘍活性に大きな影響を与えることが報告されている。われわれは、テロメラーゼ依存性に増殖して腫瘍溶解を誘導する遺伝子組換えアデノウイルスOBP-301(Telomelysin)に、多機能がん抑制遺伝子であるp53を搭載した次世代型武装化ウイルス製剤 OBP-702の臨床開発を進めている。p53はヒト悪性腫瘍で最も高頻度に異常が認められるがん抑制遺伝子であり、変異型p53タンパク質はoncogenicに作用すると同時に、半減期が延長して免疫組織学的に検出可能となり、がん特異的抗原として提示される。われわれは、p53遺伝子導入した樹状細胞やp53タンパク質をパルスした樹状細胞がp53特異的なCTLを誘導することを明らかにしており(Murakami et al, Clin Cancer Res, 2004; Tokunaga et al, Clin Cancer Res, 2005)、p53に対するメモリーT細胞を誘導することも可能と考えられる。
本年度は、免疫を有する近交系マウス(C57BL6/J)に野生型アデノウイルス5型あるいはOBP-702を複数回筋注することで、経時的に採取した血清内の抗アデノウイルス抗体価の上昇が確認できた。一方、抗p53抗体価は測定のためのアッセイ系がうまく機能せず、その確認が困難であった。この前感作免疫動物モデルにおいて、マウス大腸癌MC38を背部皮下に移植し、OBP-702の腫瘍内投与による抗腫瘍活性を非感作動物での効果と比較検討したところ、明らかな増強効果は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究申請時に立案していた野生型アデノウイルス5型あるいはOBP-702を複数回筋注することで、免疫を有する近交系マウス(C57BL6/J)に抗アデノウイルス抗体を誘導することができたのは予想通りであった。ただ、この免疫反応だけではOBP-702の抗腫瘍効果の増強につながらなかったのは想定外の結果であった。しかし、野生型アデノウイルス5型あるいはOBP-702の複数回筋注だけでは、十分な免疫活性が誘導されないと考え、p53あるいはアデノウイルス5型に対する新たな前感作方法が検討できたことから、上記の区分を選択した。
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Strategy for Future Research Activity |
強力な抗原提示細胞である樹状細胞を用いて、p53に対する前感作を試みることとした。C57BL6/Jマウスの大腿骨から分離した骨髄由来細胞を IL-4 と GM-CSF で 5 日間刺激し、非増殖型p53遺伝子発現アデノウイルスAd-p53を2日間感染させる。樹状細胞(DC)表面マーカー(CD11c、CD86、CD103、MHC クラス II)をフローサイトメトリーで解析する。動物実験では、Ad-p53-DCを腫瘍接種前に毎週4回皮下投与し、マウス大腸癌CT26(p53 野生型)および MC38(p53 変異型)を使用して皮下腫瘍を形成させる。OBP-702 を毎週 2 回腫瘍内投与し、腫瘍増殖を比較検討する。また、腫瘍免疫微小環境は、フローサイトメトリーと免疫組織化学によって解析する。さらに、抗腫瘍活性を評価する細胞傷害性 T リンパ球(CTL)アッセイを実施する。
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Research Products
(7 results)