2022 Fiscal Year Annual Research Report
脳梗塞と脊髄損傷に対する中枢神経系全域の可塑性賦活化による治療戦略の検討
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22H03188
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
本望 修 札幌医科大学, 医学部, 教授 (90285007)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 祐典 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (20538136)
鵜飼 亮 札幌医科大学, 医学部, 助教 (30896113)
岡 真一 札幌医科大学, その他部局等, 准教授 (70789453)
佐々木 優子 札幌医科大学, 医学部, 助教 (80631142)
横山 貴裕 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (60896116)
小原 尚 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (20919732)
福士 龍之介 札幌医科大学, 医学部, 特任助教 (00894065)
山下 達郎 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (60815439)
佐々木 雄一 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (00570136)
小林 萬里 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (50971074)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 骨髄幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、急性期~亜急性期の脳梗塞や脊髄損傷患者に対して自己骨髄間葉系幹細胞(mesenchymal stem cells:MSCs)の経静脈的投与(MSCs治療)をすると、持続的で著明な治療効果が得られることを経験してきた。 特記すべきことに、最近、慢性期の脳梗塞や脊髄損傷患者に対する医師主導治験で、運動機能の回復をみせた複数の症例を経験した。さらに、慢性期脳梗塞患者ばかりか慢性期脊損患者においても、MSCs治療後に脳の可塑性の賦活化が惹起されることが判明した。 これまでの基礎研究から、MSCsの治療メカニズムとして、損傷部局所における、神経保護、血管新生、血液脳関門の安定化、神経再生などが協奏的に作用することを明らかにしてきたが(業績参照)、これらに加えて、損傷を受けていない健常の神経組織においてもダイナミックな神経回路の再構築が惹起され、“中枢神経系全域の再生・可塑性の賦活化”が誘導された結果、運動機能や高次脳機能の回復に至る可能性を見出したのである。 今回、慢性期の患者に治療効果がはっきりと見られたことで、健常脳を含めた全脳の可塑性の賦活化を誘導するメカニズムを詳細に検討する必要性が出てきた。本計画では、急性期 vs 慢性期、および、脳梗塞 vs 脊髄損傷における、全脳の可塑性の賦活化の詳細なメカニズムを比較解析することで、“中枢神経系全域の再生・可塑性の賦活化”という次世代の治療法の開発へ波及させることを目的として、本研究を企画した。 これまでに、脳梗塞および脊髄損傷モデルに対する骨髄間葉系幹細胞(MSCs)の経静脈的投与(MSCs治療)実験を行い、行動学的解析、神経解剖学的解析により、神経回路の再構築の解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに脳梗塞および脊髄損傷モデルに対する骨髄間葉系幹細胞(MSCs)の経静脈的投与(MSCs治療)実験を行っており、神経機能の回復を観察しており、神経可塑性に関する検討を行っているため。
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Strategy for Future Research Activity |
実験的脳梗塞および脊髄損傷に対する骨髄間葉系幹細胞(MSC)の経静脈的投与(MSC治療)の実験を継続し、“中枢神経系全域の再生・可塑性の賦活化”に関する解明を総合的に推進する予定である。
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Research Products
(2 results)