2023 Fiscal Year Annual Research Report
腎細胞がんに対する癌ワクチンを用いた複合免疫療法の有用性に関する検討
Project/Area Number |
22H03218
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
植村 天受 近畿大学, 医学部, 教授 (90213397)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
デベラスコ マルコ 近畿大学, 医学部, 講師 (20449838)
原田 守 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 教授 (50260716)
南 高文 近畿大学, 医学部, 准教授 (70340809)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 腎細胞癌 / ペプチドワクチン / 複合免疫療法 / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の初年度は、2020年からのCOVID19感染拡大の影響を受け、加えて当病院内において大規模クラスターが複数回発生したことも大きく影響し、サンプル収集に苦慮した。昨年2022年度は、ようやくCOVID19感染拡大が落ち着き、通常の癌治療が実行できるようになったことから、IO-drug治療前後の血液サンプルが目標の20例を達成し、同時に手術による腫瘍組織サンプルもストックすることができた。血液サンプルは、血漿とPBMCとして液体窒素に保存しており、腫瘍サンプルは凍結標本(-80℃)とパラフィンブロックとして保存している。CTL誘導能についてのアッセイをいきなり行うのではなく、腫瘍微小免疫環境と免疫療法の治療効果と何かしらの密接な関連性が存在するという観点から、まず、腫瘍組織を用いた腫瘍浸潤免疫担当細胞の師匠環境に関するパイロット研究を計画した。IOベース複合免疫療法により、効果があった数症例と全く効果のなかった数症例について、パイロットスタディとして、多重IHCによる腫瘍内浸潤細胞の免疫プロファイルについて検討してみた。具体的には、手術によって得られた腎癌組織の免疫関連分子に対するMulticolarIHC(多重染色)を施行し、免疫担当細胞の免疫学的機能について細胞表面マーカーなどの発現を検討し、種々の結果を得た。結果に基づきMulticolor FCMやMass cytometerを用いた免疫プロファイリングを施行する予定である。なお、後述しているが、腫瘍微小免疫環境と治療効果に関するパイロット研究の一部の結果は、2024年4月の日本泌尿器科学会総会でポスター発表する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記6にも記載したが、手術によって得られた腎癌組織の免疫関連分子に対するMulticolar IHC(多重染色)をパイロットスタディとして施行し、種々の結果を得た。今回、癌部分とStroma部分をマッピングし、個別にイメージアナライザーを用いて治療効果と発現パターンの関連について検討した。また、得られた多くのデータに関してCatB機械学習アルゴリズムを用いて、predictive modelを検討した。一部の結果は、2024年4月27日に日本泌尿器科学会総会で報告する予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
今回、泌尿器科学会で報告する予定のマーカーセットについて、パイロットスタディから、症例数を多くしたうえで、有用性についてvalidateする。その結果から微調節の上、血液サンプルを用いたワクチン・癌特異的CTL誘導能との関連性を検証する予定である。
|