2022 Fiscal Year Annual Research Report
難治性婦人科癌のマルチオミックス解析による病態解明
Project/Area Number |
22H03219
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
八重樫 伸生 東北大学, 医学系研究科, 教授 (00241597)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 純 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), 発がん制御研究部, 部長 (00281684)
田宮 元 東北大学, 医学系研究科, 教授 (10317745)
菱沼 英史 東北大学, 未来型医療創成センター, 助教 (10824609)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | メタボローム解析 / プロテオーム解析 / マルチオミックス解析 / 卵巣癌 / 子宮内膜癌 / 子宮頸癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年から2021年の間に東北大学病院で治療した子宮頸癌49例の患者と東北メディカル・メガバンクで保管している健常人52名を対象とし、Biocrates MxP(R) Quant 500 kit (Biocrates Life Science AG, Innsbruck, Austria)を用いて血漿メタボローム解析を行い、628代謝物の突合解析を行った。健常人に比して、子宮頸癌症例では49の代謝物が有意に上昇、75の代謝物が有意に低下していた。特に、代謝物A、代謝物Bの増加、代謝物C、代謝物D、代謝物E、代謝物F、代謝物Gの減少は、子宮頸癌症例に特徴的でした。また、子宮頸癌に対する主軸治療法の一つである放射線治療の感受性群と非感受性群で代謝物プロファイルを比較した結果、治療抵抗性群では必須脂肪酸A、核酸、代謝物Hの代謝に著しい変動がみられた。 健常人を比較対照とした子宮内膜癌142例のメタボローム解析の結果、代謝物Hの増加、代謝物IとJの減少が明らかであり、多変量受信機特性曲線に基づく探索的形跡の結果、上位5代謝物を指標とした曲線下面積(AUC)は0.975(95%CI; 0.936- 1.00)であった。子宮内膜癌患者において有意に変化した代謝物から、MetaboINDICATORTMを用いて232個のパラメータを算出し、各代謝経路を特定した。健常人に比して、子宮内膜癌患者は、4つのアミノ酸関連、4つの脂肪酸代謝関連、生体アミン代謝関連指標などに変化がみられ、子宮内膜癌患者において、代謝物Kと代謝物Lの有意な増加、代謝物Mと代謝物Nの有意な減少など、代謝物濃度の変動が示された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
子宮頸癌49例、子宮内膜癌:140例、卵巣癌:220例のメタボローム解析を完了し、論文作成を行っている。今後、機械学習による深層学習を進め、予後予測、治療効果予測に着眼した解析を進める。良性腫瘍検体を活用して、腫瘍組織のメタボローム解析、血漿プロテオーム解析の準備を進めている。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は子宮内膜癌:400例、卵巣癌:400例までメタボローム解析を進める予定であり、統合する診療情報リストを拡充し、機械学習による仮説の提起と検証を予定している。 同時に、血漿プロテオーム解析、腫瘍組織のメタボローム解析・プロテオーム解析を行い、マルチオミックス解析を推進する。
|