2022 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍浸潤リンパ球輸注療法(TIL療法)を実施した子宮頸癌患者の免疫応答解析
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22H03228
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
岩田 卓 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (30296652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大多 茂樹 国際医療福祉大学, 医学部, 准教授 (20365406)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 腫瘍浸潤リンパ球 / 子宮頸癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
TIL療法を実施した患者末梢血を用いて、新たにバルクRNAシークエンス解析により、TCRレパトアを解析するパイプラインを構築した。TIL投与前後での、患者末梢血のT細胞レパトアを解析したところ、患者体内で長期にわたり投与TILが存続していることが明らかとなった。さらにTIL製剤および、患者末梢血単核球のRNAシークエンス解析データを用いてssGSEA解析を行ったところ、TIL投与後の約1ヶ月で患者血液中の細胞傷害能などTIL機能が活性化していることが明らかとなった。 TIL培養では従来より、ドナー由来の末梢血単核球を使用してきた。しかし、今後、実臨床への実装を考えた場合、より容易に入手できる原料の開発が必要である。このため、我々は日本赤十字社より、輸血製剤の製造の過程ででる白血球除去フィルターに着目し、ここからPBMCを抽出研究を開始した。来年度には、フィルターの提供が始まる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、TIL療法を行った患者検体を用いて進める研究であるが、TIL製剤の製造を受託していたバイオベンチャー企業が倒産し、一時的に治療が中断している。このため、新たな検体を入手することができず、当初目標の年間5例の解析には至らなかった。一方で、子宮頸癌患者検体を用いた、細胞培養法の改良は持続可能であり、予定通り進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
TIL療法の早期再開を目指し、新たな検体の解析を行う。また、原料となるPBMCを日本赤十字社より提供される白血球除去フィルターより分離する技術の確立を行う。
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