2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a new wound treatment with reduced HMGB1 using non-thermal atmospheric pressure plasma
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22H03250
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
森 秀樹 愛媛大学, 医学系研究科, 准教授 (60325389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 善久 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 准教授 (00735318)
村上 正基 愛媛大学, 医学系研究科, 特任教授 (20278302)
神野 雅文 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 教授 (30274335)
白石 研 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (80710863)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 創傷治癒 / 非平衡大気圧プラズマ / HMGB1 |
Outline of Annual Research Achievements |
難治性皮膚潰瘍における創傷治癒においては、上皮再生に加えて、遷延因子となりうる病原菌叢、それに伴う炎症反応をいかにコントロールするかという点が非常に重要である。核内タンパクであるHMGB1は、細胞死などにより細胞外に放出されると酸化型HMGB1となり、重症感染症において重要な炎症性メディエーターとして働くことが知られている。一方で還元型HMGB1は抗炎症作用を持つことがわかってきたが、細胞外では速やかに酸化されてその機能を失う。そこで我々は、酸化型HMGB1を還元状態に戻しかつ維持できる方法として、近年医療分野でも研究が盛んになっているプラズマに着目した。最近実用化された非平衡大気圧プラズマは、生体に対しても熱の影響なく照射することが可能で、さらに抗菌作用や抗炎症作用をもち、創傷治癒も促進させることがわかってきた。本研究では、プラズマ照射により維持される還元型HMGB1の効果とプラズ照射自体がもつ、殺菌・抗炎症・創傷治癒の多面的な効果を期待した難治性皮膚荷葉に対する全く新しいコンセプトの創傷治癒薬を開発することを目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度にヒト角化細胞の単層培養細胞シートおよび3次元表皮シート(LSE)において、非平衡大気圧プラズマとHMGB!の相乗効果による創傷治癒促進効果が確認できた。また昨年どはマウスの背部皮膚潰瘍に対しても縮小効果を確認できた。またこれらの組織を採取して分析した結果、サイトカインシグナルの伝達経路(主にEGFR系)が活性化されている事が確認された。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続きマウスモデルにおける外用効果を継続検討し、またヒト角化細胞に対する長期的な毒性や副作用について検討する。倫理委員会の承認を得たのち、プラズマ照射液(Reduced-HMGB1有、無)溶液をヒト難治性潰瘍対して使用を試み、効果判定を行う。
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