2022 Fiscal Year Annual Research Report
Understanding of information processing in the taste pathway
Project/Area Number |
22H03255
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
相馬 祥吾 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00723256)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | 味覚 / 中枢神経 / 電気生理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
動物は味覚により食行動を調節する。その背景には、舌の味蕾における食物が含む化学物質の受容、脳での味の認識や価値判断のプロセスが存在する。しかし、これら味覚体験の神経基盤は多くが未解明である。どのように多様な味を受容・識別し、価値を判断するのか?本研究では、最新技術を駆使し舌の味細胞から中枢の神経細胞の活動を記録・観測することで、末梢から中枢に至る味覚の受容・認識・嗜好の貫階層的基本原理を解明する。 昨年度は味蕾から入力する味覚情報は脳でいかに表現されるのかを明らかにするため、申請者はノイズフリーかつ多階層の大規模神経活動記録が可能な「マルチオプトタグ多細胞同時記録法」を開発・改良した。 本法では、味蕾に光駆動型イオンチャネルChR2を発現させた遺伝子改変マウスを使用する。このマウスの脳に128個のチャンネルのついた電極を刺入して神経細胞活動を記録しながら舌へレーザー照射を行うと、味蕾と繋がっている脳神経細胞、すなわち味覚ニューロンを触覚ノイズと切り分けて高精度に同定することが可能である。本年度は、本法の有用性を味覚伝導路の脳の入口に位置する孤束核にて示すことに成功した。今後は本法を味覚伝導路核に拡張適用していく予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ノイズフリーかつ多階層の大規模神経活動記録が可能な「マルチオプトタグ多細胞同時味蕾から入力する味覚情報は脳でいかに表現されるのかを明らかにするため、申請者はノイズフリーかつ多階層の大規模神経活動記録が可能な「マルチオプトタグ多細胞同時記録法」を開発・改良し、本法の有用性を脳の入り口である脳幹にて示すことに成功した。 一方、当初の想定に反し、ASAP4e-Kv発現マウス系統の開発が一般手法では不可能であり、最新の作出法を導入する必要が判明したため、マウスの開発が遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
「マルチオプトタグ多細胞同時記録法」の有用性を脳の入口に位置する孤束核にて示すことに成功した。今後は本法を味覚伝導路核と大脳皮質に拡張適用することで味覚伝導路における貫階層的基本原理を明らかにするための大規模データの取得にを試みる。 また、マウス作出に最新手法を導入し、改ASAP4e-Kvウイルスベクターの開発、改ASAP4e-Kv発現マウス系統の開発を追加して行う予定である。
|