2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a novel peptide drug against irreversible pulpitis using rat caries derived pulpitis model
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22H03268
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高橋 雄介 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (60397693)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 昌克 大阪大学, 大学院歯学研究科, 特任研究員 (00909492)
蟹江 慧 近畿大学, 工学部, 准教授 (80636407)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 不可逆性歯髄炎 / 可逆性歯髄炎 / 歯髄保存療法 / ペプチド / ラット |
Outline of Annual Research Achievements |
研究実施計画に基づいて以下の研究を実施した。 ①歯髄創傷治癒促進作用をもつ機能ペプチドの最適化実験 従前からのわれわれの一連の研究にて得られた、抗炎症作用を通じて歯髄創傷治癒を促進する直鎖状ペプチド(アミノ酸配列:KLLETECPQ)の機能の向上および安定化を目的に、環状ペプチドを複数設計・合成した(-GGG-KLLETECPQ-GGG-,-G-KLLETECPQ-G-QPCETELLK-Gなど)。合成したペプチドを覆髄材として用いた、健全なラット上顎第一臼歯を対象とした直接覆髄実験を実施し、その後2,4週目においてマイクロCTを用いて形成された第三象牙質について定量的評価をおこなった。その結果、オリジナルのペプチドで得られた結果を上回るレベルでの硬組織形成は観察されず、オリジナルの直鎖状配列ペプチドが最適なペプチドであることが明らかとなった。 ②ラットう蝕由来歯髄炎モデルに対するペプチドの覆髄材としての機能評価 オリジナルの直鎖ペプチドを用いて、ラットう蝕由来歯髄炎モデルを対象に直接覆髄実験を実施した。その結果、覆髄4週後において第三象牙質の形成がマイクロCTによる評価で観察されており、本ペプチドを用いた不可逆性歯髄炎を対象とした次世代の歯髄保存療法の可能性が高まったと考えている。次年度は、より重篤な不可逆性歯髄炎などを対象とした実験および詳細な病理組織学的な評価を計画しており、本ペプチドを応用した覆髄材の製品化も視野に入れた展開を検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ペプチドの最適化実験にある程度の時間を要したものの、最適化完了後の実験は順調に進捗している。次年度は最終年度にあたるので、できる限りの結果を得られるよう進めていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
歯髄炎を発症したラットを対象にペプチドを用いた歯髄保存療法を模した実験(直接覆髄もしくは断髄)を継続して実施し、硬組織の形成については主にマイクロCTを用いた評価をおこなうとともに、病理組織学的評価を併用することで、歯髄組織における炎症状態について評価をおこなっていく。 さらに、ペプチドの溶出挙動や安定性についての質量分析法による解析なども実施予定である。
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Research Products
(8 results)