2022 Fiscal Year Annual Research Report
細胞ダイバーシティーを基盤とした歯周組織幹細胞の運命決定機構の解明
Project/Area Number |
22H03269
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岩山 智明 大阪大学, 大学院歯学研究科, 助教 (80757865)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新保 敬史 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任准教授(常勤) (70780609)
村上 伸也 大阪大学, 大学院歯学研究科, 教授 (70239490)
藤原 千春 大阪大学, 大学院歯学研究科, 助教 (00755358)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 歯根膜 / 歯周組織再生 / scATAC-seq / オープンクロマチン領域 / シングルセル解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では歯根膜中の各細胞群のマスター転写因子や誘導因子を同定すると共に、歯根膜細胞特異的マウスを用いて細胞分化制御機構の解析を推進することにより、多様な細胞群の運命決定機構を解明することを目的としている。このために、①scATAC-seq法によるマスター転写因子探索、②歯根膜細胞特異的CreERマウスを用いた細胞系譜解析、③歯根膜細胞特異的CreERマウスを用いた歯根膜特異的遺伝子機能解析、④CRISPR-Cas9およびCRISPRa-SAMによる転写因子機能解析、の4つの解析を進める。初年度は主に以下の成果を得た。 ①これまでに開発した単離法を用いてマウス歯根膜由来細胞のscATAC-seqを実施した。scRNA-seq結果とほぼ同様のクラスタリング結果が得られ、セメント芽細胞のクラスターが同定された。さらに結合モチーフ解析により同クラスターに特徴的な転写因子が数個同定された。この転写因子群は骨芽細胞のクラスターのものとは異なっており、セメント芽細胞特異的な分化調節に関わる転写因子である可能性が示唆された。 ②歯根膜細胞特異的CreERマウスを用いて、長期的な恒常性維持および組織修復における歯根膜細胞の細胞系譜解析を行い、歯根膜細胞がセメント芽細胞や骨芽細胞、歯根膜線維芽細胞の系譜に直接分化することを明らかにした。 ③歯根膜特異的な古典的Wntシグナルの影響を検討するため、Ctnnb1遺伝子のfloxedマウスにPlap-1-CreERマウスを掛け合わせたマウスを作製し、組織学的な検討を行った。 ④これまでに樹立したマウス歯根膜細胞クローンを用いて、①で同定した転写因子について、CRISPR-Cas9によるノックアウト細胞を作製した上で、シングルセルソーティングによりサブクローンを樹立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究計画の核となるマウス歯根膜の1細胞クロマチンアクセシビリティー解析を実施し、すでにセメント芽細胞特異的な転写因子候補が同定された。歯根膜細胞特異的CreERマウスを用いた細胞系譜解析の結果を英語論文として取りまとめ出版した。コンディショナルノックアウトマウスやノックアウト歯根膜細胞の作製も概ね計画通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
予定通り、作製したコンディショナルノックアウトマウスやノックアウト歯根膜細胞を用いた解析を進める。
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[Presentation] 歯根膜一細胞アトラスの構築2022
Author(s)
岩下 瑞穂, 岩山 智明, 冨田 貴和子, 松本 修治, パーン ポンサティアン, 阪下 裕美, 宮下 和也, 北山 智美, 池上 健太郎, 新保 敬史, 玉井 克人, 竹立 匡秀, 山田 聡, 村上 伸也
Organizer
第65回春季日本歯周病学会学術大会
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