2022 Fiscal Year Annual Research Report
Frail classification based on gait and visuospatial function and the effect of preventive intervention
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22H03316
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
中村 貴志 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (70292505)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
納戸 美佐子 筑紫女学園大学, 人間科学部, 准教授 (40421325)
門脇 弘樹 山口学芸大学, 教育学部, 講師 (40868569)
鈴木 明宏 一関工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (60500428)
井上 忠俊 平成医療短期大学, リハビリテーション学科, 講師 (60879782)
上城 憲司 宝塚医療大学, 和歌山保健医療学部, 教授 (90454941)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | フレイル / 軽度認知障害 / 視空間認知能力 / 歩行 / 予防的介入 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、地域在住高齢者を対象に「身体運動・認知機能的フレイル」の類型化とクリニカルパスを構築するとともに、予防的介入の効果について検証することである。今年度は、次の3点について検討した。 1)まず、地域在住高齢者の歩行状態とアイカメラによる眼球運動のデータから、歩行中の姿勢制御と視空間認知能力及び日常生活の危険性(転 倒・事故等)を主な指標として、対象者の類型化を行った。さらに、対象者の基本属性、全般的な生活機能及び医学的データ等の関連データの補強を行い、多変量解析を用いて類型化の精度を高めた。その結果、歩行の不安定さや転倒の危険性へ主に影響していると推定される要因(注意機能、歩行機能そのもの、全般的な認知機能、視機能)から、「身体運動・認知機能的フレイル」をおおむね4つのタイプに分類できる可能性が示唆された。 2)1)の結果を踏まえて、測定室の3次元動作解析システム、アイカメラ及び「歩行計測装置」を用いて、歩行に及ぼす視機能や歩行環境の影響についてシミュレーション実験を行った。その結果、視野の周辺部を見えにくくした場合、歩行環境に対する歩行中の注視点の移動が大きく、歩行が不安定になる傾向にあった。一方、視野の中心部を見えにくくした場合、特に歩行路に障害物があるとその周辺へ注視点が集まるとともに、その注視時間も長くなり、歩行が顕著に不安定になる傾向にあった。 3)歩行と視空間認知能力を測定・分析する装置本体である計測システムの再開発を行った。今回、このシステムの端末として用いる「歩行計測装置」の利便性とセルフモニタリング機能を改良した試作品を用いて、コホート研究を予定している地域の高齢者8名の歩行と眼球運動を同時に測定した。その結果、「歩行計測装置」については解析プログラムに改良が必要な点があったが、今後の研究で使用可能なレベルであることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
地域ごとのコロナの感染状況を見ながら慎重にデータ収集を行ってきた。そのため当初の予定よりも、予備測定において収集できた高齢者のデータ数が少なく、測定装置の検討について不十分な点があった。特に、認知機能の低下が進行した対象者の場合、眼球運動の測定装置の装着方法や分析方法に改良が必要であった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、確認できている測定装置と分析方法の課題について早急に対応する。また、地域での測定会の運営と実施方法について再確認の上、今年度より対象者のベースライン測定を実施する予定である。
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