2022 Fiscal Year Annual Research Report
気象・周辺環境情報を統合した保健医療情報基盤構築と個人・環境要因の複合的影響評価
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22H03328
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Fukuoka Institute of Health and Environmental Sciences |
Principal Investigator |
西 巧 福岡県保健環境研究所, その他部局等, 研究員 (20760739)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 俊樹 福岡大学, 医学部, 講師 (50555555)
今任 拓也 福岡大学, 薬学部, 講師 (20368989)
松本 晃太郎 久留米大学, 付置研究所, 助教 (60932217)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | レセプトデータ / GIS / 統計的機械学習 / 熱中症患者数 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、これまでの研究において構築した保健医療介護縦断データベースに、気象庁の地域気象観測システム(アメダス)から取得した気温や降水量等の日平均値と国立環境研究所の環境数値データベースより取得した一般環境大気測定局の1時間測定値の日平均値を統合した。 このデータベースを用いて、2013年4月から2021年9月までの入院・外来別に熱中症(ICD-10:T67)受診者数を、住所地郵便番号の最近傍の気象庁測定局・環境省大気汚染常時監視局ごとに集計した。熱中症入院・外来患者数を目的変数とし、気象要因のうち、気温と降雨量、大気汚染物質のうち、SO2、NO2、OX、SPM、PM2.5、曜日・日祝日ダミーを投入したポアソン固定効果モデルによって、これらの要因が熱中症入院・外来受診者数に与える影響を明らかにした。 気温の発生率比(IRR)は、外来1.34[1.32-1.35]、入院1.36[1.34-1.39]と、熱中症患者の受診/入院件数の増加要因であった。大気汚染物質については、外来でのみ有意な関連が認められたが、その影響はごく僅かであった。日曜日を基準とした曜日は、平日は増加要因、祝日は減少要因であり、曜日ごとの屋外での活動の違いではなく、医療機関の休診日の影響を反映している可能性も考えられた。 レセプトデータを用いて、概ね先行研究と同様の結果を得られることが確認できた。また、次年度に実施予定の特定健診受診者の解析に先立ち、2014~2019年度特定健診受診者のデータを用いて、糖尿病未治療者における定期受診開始に与える要因と予測精度の検証を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
大気汚染物質のデータを連結する際に、気象庁測定局と測定項目別の大気常時監視局のパネルデータとなってしまったため、粒度が細かくなりすぎ、期間を通じてアウトカムが0件となる地域ができてしまった。 この粒度の問題により、2022年度に予定していた、建造環境の統合が遅れているため、やや遅れていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、患者数予測モデルに関しては粒度の調整を行う必要があると考えられたため、集計地域を居住市町村と荒くした上で再検討を行った上で、入院/外来別に、喘息患者数の予測モデルを構築する。さらに、特定健診受診者を追跡し、急性心筋梗塞による入院予測モデルを構築する。 これらの解析結果についてとりまとめ、昨年度の解析結果と併せて国内学会発表及び論文投稿を行う。
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Research Products
(1 results)