2023 Fiscal Year Annual Research Report
妥当性・汎用性の高い筋肉量指標の開発とサルコペニアの生活習慣要因の解明
Project/Area Number |
22H03351
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村木 功 大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (70731561)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤田 典絵 国立研究開発法人国立がん研究センター, がん対策研究所, 部長 (00446551)
大塚 礼 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 研究所 老年学・社会科学研究センター, 部長 (00532243)
原田 成 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (10738090)
久保 佐智美 近畿大学, 医学部, 准教授 (10782443)
山岸 良匡 筑波大学, 医学医療系, 教授 (20375504)
丸山 広達 愛媛大学, 農学研究科, 准教授 (20627096)
服部 聡 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (50425154)
清野 諭 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (50725827)
陣内 裕成 日本医科大学, 医学部, 准教授 (50805421)
安岡 実佳子 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 国立健康・栄養研究所 身体活動研究部, 特任研究員 (80874354)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | サルコペニア / 筋肉量指標 / 生活習慣病 |
Outline of Annual Research Achievements |
サルコペニアの定義は欧州と米国で異なるなど様々に提唱されている。同一集団においても定義によりサルコペニアの有病率が異なるなど、各定義が異なる状態を表している可能性がある。それらの定義の主な違いは、筋肉量低下の判断に用いている筋肉量指標であり、より適切な筋肉量指標(以下、新指標)の開発がサルコペニアの定義の統一に不可欠である。また、スクリーニング検査として、質問紙法が提唱されているが、見落としが多く、簡便なかつ客観的な検査法として筋肉量評価が集団スクリーニング検査として有用である可能性がある。 令和4年度は、筋肉量指標に関する文献的検討を行った。令和5年度は、CIRCS研究を用いて、新指標の算出モデルを作成した。ALM(四肢筋肉量)、SMI(ALM/身長2乗)、身長補正SMI、%SMM(ALM/体重)、ALM/BMI、ALM/身長補正BMI、新指標、身長補正新指標の8指標について、握力低値(男性<28 kg、女性<18 kg)、歩行速度低値(1.0 m/s)を結果変数としたロジスティック回帰分析を行い、モデルの当てはまりとしてAIC(値が小さいほどよい)を、予測性能としてc統計量(値が大きいほどよい)を比較した。握力低下について、男性では身長補正新指標でAICは最も小さく、c統計量は最も大きかった。女性ではAICはALMで最も低かったが、c統計量は身長補正新指標が最も大きかった。歩行速度低値について、男女ともにALM/BMIでAICは最も小さく、c統計量は最も大きかった。握力と歩行速度の両方について、新指標は概ね良好な結果であったが、握力と歩行速度のいずれかについては別の指標が良好であった。 また、各コホート研究において、サルコペニアと生活習慣病との関連を検討するためのベースライン調査・追跡調査を継続して実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和5年度中にコホートデータによる妥当性の検討を終了する予定であったが、新指標の算出モデルの確定に時間を要したため、妥当性の検討は終了していない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度上期にコホートデータによる妥当性の検討を終了し、それぞれ医学雑誌等に公表する予定である。また、新指標による生活習慣病等との検討を開始する。並行して、各コホート研究において、サルコペニアと生活習慣病との関連を検討するための追跡調査を継続する予定である。
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