2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of comprehensive dietary support model for the elderly with dementia
Project/Area Number |
22H03375
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
山村 健介 新潟大学, 医歯学系, 教授 (90272822)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 美枝子 新潟大学, 医歯学系, 教授 (10444184)
黒瀬 雅之 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (40397162)
岡本 圭一郎 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (50382338)
小林 琢也 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (50382635)
新井 映子 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 客員教授 (90134783)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 認知症 / 高齢者 / 食支援 / 食品物性 / 嚥下 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画内では、A:喉頭の動きを解析するシステム開発、B:食選択のガイドブックの作成、C:小型簡易粘度計開発を行う。 喉頭の動きを解析するシステムは、嚥下時に上下前後方向に移動する喉頭隆起の動きを非侵襲的に可視化する技術を開発の核に据えており、嚥下機能を4段階程度に分類できることを目標としている。高速度カメラにて頸部に設置したマーカーを自動追跡可能なシステムと喉頭隆起上に設置した触圧センサからの圧変化データを合わせ、判別能の高い嚥下評価システム確立を目指している。高速度カメラ撮影時、撮影環境に左右されないよう、昨年度照明を追加購入し、再現性の高いデータが得られつつある。 小型粘度計については、従来型の回転式粘度計(B型粘度計)とは全く異なるしくみ(モーターの回転を直線運動に変換することで、検出ヘッドを直線往復運動させ、検出ヘッドに加わる抗力を、小型6 軸力覚センサにより6軸(Mx,My,Mz,Fx,Fy,Fz)に分解し出力する粘度計を試作し、濃度の異なる市販のとろみ調整食品の水溶液(ダイラタント流体)、擬塑性流体である各種食品(低粘度:とんかつソース、高粘度:ケチャップおよびマヨネーズ)およびニュートン流体(はちみつ)においてB型粘度計との間で測定値の比較を行った。その結果、1)試作粘度計の出力値は、全ての試験食品においてMxで高く安定した出力値を示すこと、2)非ニュートン流体のダイラタント流体と擬塑性流体では、流体粘度が同一であっても試作粘度計の出力値(Mx)は明確に異なっており、測定時の攪拌による粘度低下を試作粘度計は正確に反映することを確認し、この成果を日本咀嚼学会第34回学術大会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで喉頭の動きを解析するシステムについては喉頭隆起の動きを高速度カメラで記録し、喉頭の移動量や移動加速度をデジタルデータとして算出し、頸部に装着した薄型スポンジセンサにより2軸で測定した喉頭の動き(アナログデータ)を同期させるところまで進捗した。高速度カメラ撮影時、撮影環境に左右されないよう、昨年度照明を追加購入し、再現性の高いデータが得られつつある。 小型粘度計については、昨年度試作に着手した6軸センサを埋め込んだ撹拌棒をモーター駆動で回転させる方式を用いた粘度計を従来の回転式粘度計より遙かに小型化した試作品として完成させ、種々の粘度特性をもった食品においてその精度を検証する実験を行い、その成果を日本咀嚼学会第34回学術大会で発表しており、予定通りに開発が進んでいる。 食生活の実態調査は調査施設選定のための予備調査を行い、被験者の認知機能にバラツキがあることが判明し、認知機能レベルに基づいた分類の必要性を把握した。
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Strategy for Future Research Activity |
喉頭の動きを解析するシステムについては、撮影環境に左右されない高速度カメラ記録システムを確立し、再現性かつ精度の高い喉頭の移動量や移動加速度データを薄型スポンジセンサにより2軸で測定した喉頭の動きのデータと同期、解析することで、薄型スポンジセンサのみで、喉頭の動きを推定できるシステムの開発をめざす。小型粘度計については昨年度の検証で精度に改善の余地があることが明らかになった低粘度の擬塑性流体における精度向上をハード・ソフト面の改良することで試みる。食生活の実態調査については、昨年度の予備調査により、想定される被験者の認知機能にかなりバラツキがあることが判明したため、認知機能の検査も行うことで、被験者を認知機能レベルに基づいて分類づるためのプロトコルの確立を目指す。
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