2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development and verification of an early detection system for immune-related adverse events in patients with liver cancer
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22H03394
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
庄村 雅子 東海大学, 医学部, 教授 (40287115)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加川 建弘 東海大学, 医学部, 教授 (30245469)
岡部 春香 東海大学, 医学部, 講師 (30438858)
矢口 菜穂 東海大学, 医学部, 講師 (30336705)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 免疫チェックポイント阻害薬 / 免疫関連有害事象 / 有害事象マネジメント / 早期発見 / チーム医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、免疫チェックポイント阻害薬(ICI)による治療を受ける進行肝細胞がん患者(HCC)の免疫関連有害事象(irAE)早期発見システムの試作に向けて、irAEの頻度と内容、対応体制などの全国における実態を明らかにすることを目的とした。方法は、全国の肝疾患診療連携拠点病院およびがん診療連携拠点病院・計456施設に対し、自作の無記名式質問紙に郵送かオンラインのいずれかで回答してもらった。 結果、全国112施設からの回答から、HCCにおけるICIは施設平均20例以上実施され、irAEも17種類以上もの多彩な症状が発現しており、Grade3以上も施設平均発現数は4例で、平均発現率は12%と高いことが明らかとなった。HCCにおけるirAE対応体制に関しては、ICI投与前スクリーニングシステムは約7割が有し、問診は多職種で連携して実施している傾向があった。一方で、HCCのICI実施歴の電子カルテへの明示は、約4割未満と低く、問診に活用できるシステムがある施設も約4割未満であり、ICIに関する情報のシステム上のデジタル化の低さが目立った。irAEのコンサルティングシステムと対応チームに関しても有する施設は約3割にとどまった。 HCCにおけるICIのirAEは多彩であり、多職種で重症度を評価し、患者のセルフモニタリング教育に当たっていることが明らかになったが、有害事象情報のデジタル媒体による情報共有はほとんどなされていなかった。以上より、HCC患者という特性を考慮した実用可能性の高い、院内での情報共有システムの提案や、患者との双方向によるデジタル媒体による情報共有システムの構築が急務であることが裏付けられた。また、本研究で焦点化すべきirAEも絞られたため、今後は本研究成果をICI治療が適応されるHCC患者のirAE早期発見システム開発につなげるべく研究成果を蓄積していく必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
免疫チェックポイント阻害薬(ICI)による治療を受ける進行肝細胞がん患者(HCC)の免疫関連有害事象(irAE)早期発見システムの試作に向けた、質問紙による全国実態調査を遂行でき、アプリに盛り込むべき有害事象など特定することができた。今後は、アプリを試作してくれる企業や研究者を探し、共同して、試作へ向けた次の段階に進めたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、アプリを試作してくれる企業や研究者を探し、共同して進行肝細胞がん患者の免疫関連有害事象(irAE)早期発見アプリを試作したのちに、患者や医療者における実行可能性研究へと段階的に研究を進めたいと考えている。
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Research Products
(3 results)