2023 Fiscal Year Annual Research Report
児童養護施設における「人生を豊かに育むための教育」プログラムと地域連携システム
Project/Area Number |
22H03430
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Health Care University |
Principal Investigator |
渡會 睦子 東京医療保健大学, 医療保健学部, 教授 (50360003)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬戸 僚馬 東京医療保健大学, 医療保健学部, 教授 (20554041)
湯川 慶子 国立保健医療科学院, その他部局等, 上席主任研究官 (40754370)
今泉 一哉 東京医療保健大学, 医療保健学部, 教授 (50454179)
児玉 知子 国立保健医療科学院, その他部局等, 上席主任研究官 (80415471)
三上 佳佑 朝日大学, 法学部, 講師 (80805599)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 児童養護施設 / 愛着形成 / 自己肯定感 / 性教育 / 思春期 / プログラム / キャリア教育 / いのちの教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)児童養護施設における指導員・施設職員と研修会を開催し、自虐・加虐行為、性問題、思春期問題に関するディスカッションを開催した。二つの県における全児童養護施設の小学・中学・高等部の児担当指導員・施設関係者に対し、自虐行為や加虐行為、若年妊娠・人工妊娠中絶率・性感染症等の性問題、人付き合いが苦手・面倒等のコミュニケーションに深く悩みを持つ思春期問題・生きづらさに関する子どもたちの悩みの実態、職員としての生活においての現在の対応、対応のしづらさ・関係者としての悩み等について話し合った。入所時に対する悩みとして、幼さ52.9%,攻撃性・暴力41.2%,思春期の反抗38.2%,気分変動38.2%,自傷行為23.5%の悩みを持っていることがわかった。思春期以降の途中入所した児が行う、職員を陥れる行動が引き起こす精神的被害についても話し合われた。 すでに10年間教育指導としてかかわってきた児童養護施設では、施設職員の性教育・いのちの教育等への抵抗がなく、子どもがとる行動の背景にある生活環境や他者への不信感・拒否感等を理解した上で対応方法ができるようになっていた。また、入所児のソーシャルスキルの向上も認められていた。研究協力県の各児童養護施設、都道府県保健・福祉行政、教育委員会と協働関係作りも含めた会議を開催した。 3)第82回日本公衆衛生学会において、「子どもたちの人生を豊かに育むための地域連携 ~家庭・児童養護施設・学校・地域・行政の連携~」と題しシンポジウムを開催した。 4)日本の児童養護施設は、戦後の孤児収容のための施設としての歴史はあるが、福祉的サービスとしての歴史は浅いため、海外の文献を用い文献検討、ニュージーランド・オーストラリアの行政的取り組みに関する調査を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していたヨーロッパの研究について世界情勢の関係もあり、オセアニア地域に変更し、大変興味深い調査が遂行できている。
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Strategy for Future Research Activity |
1)年齢に応じた教材を作成する。研究協力県の各児童養護施設と、「児童養護施設の人生を豊かに育むための教育」を用いて教育介入の調査を実施し分析を進める。 2)協議会と共催し、特別支援学校・児童養護施設職員や関係者を参集し、思春期問題予防研修会を開催し、教材利用方法の説明を行い、普及を進める。 3)日本公衆衛生学会において、「児童養護施設の人生を豊かに育むための教育」に関するシンポジウムを開催する。 4)2022.2023年度の研究結果に関し、学会にて発表する。
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