2022 Fiscal Year Annual Research Report
スキンテアを惹起する皮膚脆弱モデルの創出から革新的な予防・治癒促進ケア方法の確立
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22H03431
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | 福井医療大学 |
Principal Investigator |
北川 敦子 福井医療大学, 保健医療学部, 教授 (80343185)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 義宏 東京農工大学, 農学部, 教授 (10228372)
佐久間 淳 京都工芸繊維大学, 繊維学系, 教授 (60274180)
峰松 健夫 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (00398752)
松崎 恭一 国際医療福祉大学, 医学部, 主任教授 (20278013)
紺家 千津子 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (20303282)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | スキンテア / 動物モデル / 高齢者脆弱皮膚 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢者の皮膚は脆弱で外力により容易にスキンテアを発症する。高齢者の脆弱な皮膚について解明し、現在の予防及び治療ケアの有効性と再発予防に向けたケア方法の確立をすることが必要となる。それには、実際の高齢者の皮膚で検証するには限界がある。そこで、脆弱な皮膚の動物モデルを創出し、同時に動物モデルの皮膚機能を確認するために高齢者皮膚の調査からそのモデルの整合性を検討することを目的とした。【方法】1.脆弱な皮膚モデル作成(動物実験):ヘアレスマウスに、皮膚脆弱モデル創製として、①紫外線曝露②低紫外線曝露 低タンパク質食飼育の 2 種類の実験を行った。①ヘアレスマウス を 4 、8 、12 週間の飼育で、2種類の強度の紫外線を週2回照射した。②ヘアレスマウスにタンパク質含有率 3%と5%の低タンパク食餌を与え、紫外線照射群と非照射群を設定し、12週間飼育した 。2 種類の実験では、それぞれ週 に 1 度、皮膚水分量と体重測定を行い、解剖時に粘弾性測定、下大静脈採血、背部皮膚の採取を行った。加えて、低タンパク質食餌摂取では週1回食餌摂取量を計測した。解剖後、引張試験による皮膚破断強度測定、背部皮膚組織のHE染色による解析を行った。2.スキンテア発症しやすい脆弱な皮膚の高齢者64名の調査:調査項目は、TEWL、角質・真皮水分量、AGE量、粘弾性、真皮エコー像であった。【結果】1.現時点では、モデルとしてUV非照射 3 %タンパク質食餌 12 週間飼育マウスがふさわしいと考えられた。2.高齢者皮膚のスキンテア発症における脆弱性には、真皮エコーのThicknessの増大と皮膚のヤング率上昇が関連していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
動物モデルの作成および高齢者皮膚の調査は計画に沿って進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
動物モデルに関しては、より短期間で作成する手技の確立を目指す。ヒトの皮膚調査に関しては、同じ高齢者でスキンテアを発症しやすい透析治療をしている患者はスキンテア発症しやすいと言われているが、その検討が進んでおらず、次年度は維持血液透析患者の皮膚の調査を計画する。
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