2023 Fiscal Year Annual Research Report
Novel Therapeutic Strategy of Seizures after Cardiac Arrest Targeting Neurogenesis in Hippocampus
Project/Area Number |
22H03441
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
瀬原 吉英 自治医科大学, 医学部, 講師 (50721156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本谷 祐輝 同志社大学, 研究開発推進機構, 准教授 (50401906)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ニューロン新生 / 心肺蘇生後 / スナネズミ / 前脳虚血 / ポリコーム群タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトにおける心肺蘇生後の病態を再現したスナネズミ前脳虚血モデルを用いて虚血後のニューロン新生の検討を行っている。これまでの予備検討で、急性期にはポリコーム群タンパク質の中でもEzh2が増加することが明らかになった。そこで、本年度はEzh2のshRNAをアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターに搭載し、海馬歯状回でノックダウンした。 具体的には、4週齢のスナネズミ(オス)に右海馬歯状回へAAVベクター投与し、6週齢で5分間の両側総頚動脈閉塞を行って前脳虚血を負荷し(5分間)、7週齢でチミジンアナログである5-ethynyl-2-deoxyuridine(EdU)を腹腔内投与し、9週齢で評価のための断頭を行った。申請者の予備検討や他グループからの報告で虚血7日後にニューロン新生が増加することが明らかになっているため、本研究におけるEdU投与も虚血1週後に行うことによりその時点での新生ニューロンを標識した。 脳の冠状断切片を作製し、AAVベクターが海馬歯状回全体に発現したことを確認した。海馬歯状回でのEdU陽性細胞を定量したところ、negative shRNA投与(既知配列に非相補的なshRNA)+虚血手術群では対照群に比して有意な増加を認めた。一方、Ezh2 shRNA投与+虚血手術群ではEdU増加が抑制され、対照群とEdU陽性細胞数の差を認めなかった。非虚血手術群(sham手術)では、negative shRNA投与もしくはEzh2 shRNA投与ともに対照群とEdU陽性細胞数の差を認めなかった。 この結果から、Ezh2は虚血後におけるニューロン新生増加を特異的に抑制する可能性があると考えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ポリコーム群タンパク質のEzh2が虚血後のニューロン新生増加を抑制しており、非虚血群のニューロン新生は減少させていないことから、特異的な因子である可能性を見出すことが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究デザインのような虚血後亜急性期におけるEzh2の増減は明らかでないので、定量を行う。Ezh2はヒストンメチル化を行うタンパク質であるので、海馬歯状回の遺伝子発現変化をトランスクリプトーム解析で明らかにする。免疫染色を追加し、Ezh2を発現する細胞を明らかにする。このような研究を通じて、虚血後ニューロン新生の調節機構を解明する。
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