2022 Fiscal Year Annual Research Report
日常的運転行動記録と下肢の自己受容感覚解析によるペダル踏み間違い事故の要因解明
Project/Area Number |
22H03447
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Fukuoka International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
堀川 悦夫 福岡国際医療福祉大学, 医療学部, 教授 (10155004)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 弘文 熊本高等専門学校, 拠点化プロジェクト系グローバルリーダーシップ育成グループ, 教授 (10223869)
野尻 紘聖 熊本高等専門学校, 電子情報システム工学系CIグループ, 講師 (80435487)
光武 翼 福岡国際医療福祉大学, 医療学部, 講師 (00779712)
谷口 隆憲 福岡国際医療福祉大学, 医療学部, 助教 (00851198)
江里口 誠 佐賀大学, 医学部, 講師 (70404134)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | ペダル踏み間違い / 高齢者運転 / 認知機能低下 / 自己受容感覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
臨床研究として、大学病院の脳神経内科による、「もの忘れ外来」での認知機能検査や運転シミュレータ検査、実車運転評価(自動車学校教員評価と車両挙動解析)のデータ取得はコンスタントに継続されている、週2回の臨床場面においてデータ取得と運転可否判断は、約90%以上の対象患者で実施している。神経心理学的検査のテストバッテリーとしては、認知機能低下のスクリーニングとして時間見当識、場所見当識、記銘力、ワーキングメモリーへの介入課題、遅延再生、そして短文復唱などの言語機能の評価を組み合わせて行い、更に前頭葉機能、注意・実行機能検査、時計描画検査そして抑うつ検査など運転可否判断に必要な検査を実施できている。モビリティ支援のための移動行動調査も実施されている。 基礎的研究としては、実験装置でのアクセル・ブレーキのセッティングを実施することができている。また運転操作時の下肢の運動計測に関して検討を行った結果、ロール、ピッチ、ヨーの各運動に加えて、身体運動解析で必要となる地磁気方向の検出が可能なセンサーを選択し、下肢部分に関しては計測に必要なセンサーを導入することができている。これにより、オイラー角算出などのプログラム開発を省力化することができている。 これらの活動の間に、著作物としては、「加齢と自動車運転」のタイトルで、日本老年学会の高齢者運転提言委員会「高齢者運転の提言」に収載されている。また、「高齢ドライバーの安全運転」として、「特集 障害者・高齢者の車両運転と安全」にて、総合リハ2022において出版されている。 共同研究のチームの中で、工学系とリハビリテーション医学系の両領域において学会発表を合わせて10件を行い、その中で学会賞を1件、ポスター発表奨励賞を1件受賞している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
臨床研究としては、各種検査が現在実施している2病院でコンスタントに実施されているうえ、今後、さらにもう一つの病院での臨床研究も予定されている。 基礎的研究の為のアクセルブレーキの実験装置でのセッティングを可変的に行うための治具を製作し、応用に向けて準備している。また、運転席左右中央、ペダル位置(例、ブレーキペダルの中心)、身体正中矢状面を合わせるための測定器も見つけることができて導入されている。 研究の各要素における進捗に差があるものの、全体的としては良好なペースで推移している。
|
Strategy for Future Research Activity |
臨床においては今後もデータ取得を継続し、合わせて運転可否判断のケーススタディとしてまとめていく予定である。これまでに構築してきたデータベースに追加し、総合的分析を行う。 基礎研究に関しては、導入したセンターに加えて、3次元位置を直接計測するシステムを併用して較正測定をおこない、足部の動作解析の精度を上げていく。 また、これまでに取得したデータを元に国際学会での発表や論文投稿を行っていく
|