2022 Fiscal Year Annual Research Report
骨格筋代謝によるストレスレジリエンス強化機序の解明
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22H03467
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
志内 哲也 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (70372729)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近久 幸子 四国大学, 生活科学部, 准教授 (00452649)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 骨格筋 / ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は「筋タンパクの合成・分解(動的代謝・ターンオーバー)が活発な骨格筋はストレスレジリエンスを強化する」という仮説を検証するため、マウスを用いて動的代謝が活発・不活発な骨格筋におけるストレス負荷時の行動変容を比較し、骨格筋から脳へのストレスレジリエンス強化メカニズムを解明するとともに、ストレスレジリエンスの強化に貢献する骨格筋生成のための生活習慣基盤を構築し、ヒトでの応用可能性を模索することを目的とした。 令和4年度分は、骨格筋特異的遺伝子A欠損マウスを作成を試みた。骨格筋特異的にCreを発現するマウスおよび遺伝子AのFloxマウスを交配させ、ホモマウスを作成した。成長後の至適週齢から、ドキシサイクリンを餌に混ぜた飼料で飼育することにより継続的に骨格筋においてCreが発現するようにし、4週間後に骨格筋を採取して遺伝子Aの発現をウェスタンブロット法で確認した。その結果、白筋を中心として時期特異的に遺伝子Aを欠損するマウスを作成することができた。他組織における遺伝子Aの発現には影響なかった。 そのマウスと野生型マウスの2群に対して、恐怖ストレスに暴露したのち血液を採取し、メタボローム解析を行った結果、血中アミノ酸濃度に有意な差が認められた。ただし、血中グルココルチコイド濃度や、インターロイキン6などのストレス・炎症反応に関与するサイトカイン濃度には有意差は見られなかった。また、恐怖ストレス後の行動にも2群間で有意な差が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和4年度分は、研究協力者のライフイベントなどにより遅れた期間はあったが、遺伝子改変マウスの作成とそのチェック、およびストレス暴露後の血液内のメタボローム解析などをこなせた。進捗の要約は「研究概要」を参照。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、骨格筋においてストレス暴露後に代謝変化をもたらしたメカニズムについて、野生型マウスと骨格筋特異的遺伝子A欠損マウスの筋内代謝産物や遺伝子発現の網羅的解析を計画している。また、行動に変化をもたらした脳内機構について、神経伝達物質濃度の変化とその標的脳部位に焦点を当ててメカニズムを明らかにする。野生型マウスと比較し、濃度差がある標的脳部位に薬理学的介入を行うことで行動が元に戻った場合、標的脳部位に逆行性トレーサーを注入することで投射元の責任神経を同定する。同定した脳部位の神経伝達物質の合成酵素活性を測定するとともに、アデノ随伴ウイルスおよび光遺伝学的手法を用いて人為的に標的神経を活性化あるいは抑制することで、社会敗北性ストレス後の行動が変化することを確認する。また、メタボローム解析で標的脳部位でのアミノ酸を中心とした代謝産物濃度を測定するとともに、アミノ酸トランスポーターの発現を測定する。
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Research Products
(4 results)