2022 Fiscal Year Annual Research Report
座位行動を標的とした心腎連関の新規予防介入プログラムの開発
Project/Area Number |
22H03471
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
前田 清司 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (30282346)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 浩一朗 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (00318817)
小崎 恵生 筑波大学, 体育系, 助教 (10900293)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 座位行動 / 心血管疾患 / 慢性腎臓病 / 心腎連関 / 超音波画像診断技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の疫学的エビデンスでは,生活環境や職場環境に遍在している長時間の「座位行動」が心血管疾患および慢性腎臓病の重症化にそれぞれ独立して関与することを示している.心臓と腎臓における機能障害が相互に進行していく病態である「心腎連関」は,健康寿命を延伸する上で解決すべき重要な課題である.しかし,座位行動が心腎連関の進行過程を加速させるか否かは不明である.特に実験室環境における座位行動の介入研究が不足しており,長時間の座位行動を中断した際,心血管系と腎臓はどのような相互関係のもと変化が生じるのかについては不明点が多い.そこで本研究は,超音波画像診断技術などを用いて座位行動の中断が心血管系および腎臓に及ぼす急性的・慢性的な影響を明らかにすることを目的とする. 本年度の研究では,まず座位行動の慢性的な影響を探索的に調査するため,中高齢者を対象に観察研究を実施した.3軸加速度計を用いて日常生活中の座位行動時間を評価し,座位行動時間と心血管機能(中心血圧,心臓圧受容器反射,動脈硬化度等)や腎機能の関連性を検討した.主な評価項目は,座位行動時間,中心血圧,心臓圧受容器反射感受性,腎血行動態,血液・尿中バイオマーカーなどとした.本年度に得られた主な研究成果として,日常生活中の座位行動時間が長い中高齢者では,心臓圧受容器反射感受性が低下していることが明らかになった.このことから,長時間の座位行動は心拍調節を介した動脈血圧制御機能に悪影響を及ぼすことが示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、当初の実施計画通りに研究を遂行し、実験的研究の一部が順調に進んでおり、一定の成果が得られていることから、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究では、縦断研究,介入研究,実験的研究を通して座位行動が心腎連関に及ぼす急性的・慢性的影響を包括的に調査予定である.特に実験的研究では,観察研究の知見を踏まえ,超音波画像診断技術を活用して心臓が血液を駆出して腎臓に供給される一連の流れを包括的に評価し,座位行動が心腎連関の病態を及ぼす影響を詳細に検証する予定である.
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Research Products
(3 results)