2022 Fiscal Year Annual Research Report
運動が引き出す脳グリコーゲン超回復の神経ーグリア連関機構とその意義
Project/Area Number |
22H03478
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
松井 崇 筑波大学, 体育系, 助教 (80725549)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 脳グリコーゲン / 超回復 / 運動 / PTG |
Outline of Annual Research Achievements |
一見無関係な持久性と認知は関連し、運動はこの超時空間的心身連関の適応を促進するが、その根底をなす共通機構は未だ不明である。本研究は、運動による脳グリコーゲン超回復の分子神経機構をグリコーゲン標的タンパク質(PTG)の役割に着目して解明することを目指す。4年計画の1年目である令和4年度は、実験計画に従い、実験1を実施した。 実験1では、疲労困憊する持久性運動と安静状態のマウスにおいて、脳内PTGタンパク質量をウェスタンブロット法により検討した。その結果、疲労困憊群の血糖値は安静群と比較して顕著に低下し、血中乳酸濃度は顕著に上昇したことから、本研究で用いた運動モデルが先行研究と同様の疲労困憊状態を引き起こしていることを確認した。 このとき、脳内、特に、脳グリコーゲン超回復が生じる大脳皮質、海馬、視床下部のおけるPTGタンパク質量を定量し、安静状態のマウスと比較した。その結果、全ての部位で安静群よりも疲労困憊群におけるPTG量が有意に上昇していた。上昇率は、視床下部、大脳皮質、海馬の順で高かった。これらの結果は、疲労困憊運動による終了直後から、脳内ではグリコーゲン合成を促進するアナボリックな生化学状態が生じていることを始めて示唆する。 今後、疲労困憊に至らない運動におけるPTG発現の検討や、PTGのノックダウンによるグリコーゲン超回復への影響を検討することで、神経学系の英文誌に公開できるような内容にすべく研究を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験1では、当初の仮説通り、長時間運動による疲労困憊直後に脳グリコーゲンが生じる脳部位でPTG発現が高まっていることを確認できた。これは、実験2以降の土台となるが、想定通りに初年度に確認することができたことから、おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
実験1では、疲労困憊運動による終了直後から、脳内ではグリコーゲン合成を促進するアナボリックな生化学状態が生じていることを始めて確認した。今後、疲労困憊に至らない運動におけるPTG発現の検討や、PTGのノックダウンによるグリコーゲン超回復への影響を検討することで、神経学系の英文誌に公開できるような内容にすべく研究を進める予定である。
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