2022 Fiscal Year Annual Research Report
反動動作時のクロスブリッジ動態をin vivoで計測する手法確立
Project/Area Number |
22H03488
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
福谷 充輝 立命館大学, スポーツ健康科学部, 講師 (80722644)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江間 諒一 静岡産業大学, スポーツ科学部, 准教授 (10768196)
伊坂 忠夫 立命館大学, スポーツ健康科学部, 教授 (30247811)
橋詰 賢 立命館大学, スポーツ健康科学部, 助教 (50727310)
八木 直人 公益財団法人高輝度光科学研究センター, 散乱・イメージング推進室, 特別研究員 (80133940)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | アクチン / ミオシン / タイチン / 反動動作 / 小角散乱 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、本プログラムの目的である、【反動動作 (stretch-shortening cycle: SSC) による筋力増強メカニズム】のクロスブリッジレベルでの検証を、筋の3次元構造が完全に保たれた生理的な状況下、すなわち ”in vivo” で実施することを目指し、X線小角散乱によるクロスブリッジ動態計測実験を進めた。具体的には、大型放射光施設SPring-8において、ラット生体のヒラメ筋を対象に、SSCを行わせている最中に、X線照射によって得られる散乱を記録した。この散乱は、X線照射物が周期的な構造を有していれば、特定の位置に回折像が得られるというものであり、本研究では主に、筋細胞の横断面構造に着目した。筋細胞の横断面は、1個のミオシンフィラメントの周りに6個のアクチンフィラメントがあり、筋収縮時には、ミオシンのヘッドの部分がアクチンフィラメントに結合するため、アクチンフィラメント付近に質量が移動することで、アクチンフィラメント由来の反射強度が増大する。この反射強度化から、結合したクロスブリッジの数を評価することが出来る。この実験を実施したところ、明らかに発揮筋力が増大する伸張性収縮局面において、結合したクロスブリッジの数が減少するという、従来の考えとは異なる知見が得られた。現在は、筋の横断面構造のデータに加えて、縦断面構造 (ミオシンヘッドの周期など) の分析も進めている状態である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画していた2つの実験の内、1つを実施することができ、幸い興味深い知見も含まれていた。2023年度は、この知見をよりシステマティックに検証し、より強固な主張が可能になるようなデータ取得を目指す。
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Strategy for Future Research Activity |
上述のように、2022年度に得られた興味深い結果をよりシステマティックに検証する実験を計画しており、この研究プロポーザルがSPring-8に採択されたため、2023年度6月初旬に、再度SPring-8で実験を行う予定である。加えて、もう一つの実験である高周波振動に必要な機器を買い揃えることが出来たため、これらを組み上げて、2023年度中にある程度のデータが取れるようなペースで準備を進めていく予定である。
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Research Products
(5 results)