2022 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of molecular basis for endothelial cell senescence
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22H03517
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
池田 宏二 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90423871)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 血管内皮細胞 / 老化 / 細胞老化 / 老化関連疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
①ヒト培養血管内皮細胞を用いてPremature senescenceをTet-Onシステムによって誘導できるアッセイ系を作成した。hTERT-2を恒常的に発現する不死化したHUVECを使用し、ドキシサイクリンを培地に添加することによってTERF-2のdominant negative体発現を誘導させて早期老化を引き起こす細胞株を樹立した(TERF2DN-Tet-On HUEhT-2細胞)。この細胞株を用いて「老化予防」化合物スクリーニングを実施した。化合物は東京大学創薬機構が有するValidated Compound Library(既存薬1600+既知薬理活性試薬1900)を使用した。②血管内皮細胞細胞老化とオートファジーの解析:若いHUVECにATG5 siRNAを導入してオートファジーを阻害し、細胞老化が誘導されるかどうかをSA-beta-Gal染色およびCDKIの発現上昇によって検証したが、ATG5阻害によって明らかな細胞老化が誘導されることは確認できなかった。また老化内皮細胞においてオートファジーおよびミトファジーが低下するかどうかを検討したが、少なくとも私たちの実験系では若い内皮細胞と比べて明らかなオートファジー・ミトファジーの低下を認めなかった。そのため、当初計画していたオートファジー低下によるIL-1a発現上昇とSASP因子発現の関連を解析する実験は中止し、IL-1a-KOマウスを用いた検討も行わなかった。一方で、生体内で起こる血管内皮細胞の老化において、ストレス誘導性早期老化(premature senescence)と分裂を繰り返した結果起こる複製老化(replicative senescence)のどちらが優位であるのかを検討する実験を新たに計画し、若齢マウスと高齢マウスの肺から血管内皮細胞を単離して細胞老化の表現型を解析する実験を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
想定された結果が得られなかっために一部研究計画を変更・修正したが、実験計画は概ね順調に進行していると考えています。
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Strategy for Future Research Activity |
想定していた結果が得られなかった場合はその仮説に固執せず、新たな仮説を立てたり、視点を変えた実験を計画し、本研究課題の大きな目標である「血管内皮細胞老化の分子基盤の解明」を達成できるようにする。
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