2022 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of Tobacco Heating System on the male reproductive function and towards to the reduce of the adverse effects.
Project/Area Number |
22H03519
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Oita University of Nursing and Health Sciences |
Principal Investigator |
吉田 成一 大分県立看護科学大学, 看護学部, 准教授 (40360060)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 加熱式たばこ / 雄性生殖機能 / 精子性状 / 造精機能 / 吸入 |
Outline of Annual Research Achievements |
喫煙により男性生殖機能に悪影響が生じることは明らかにされているが、従来の燃焼式たばこによる知見に限られており、近年使用が急増している加熱式たばこが男性生殖機能に与える影響については明らかにされていない。そこで、マウスに加熱式たばこを曝露し雄性生殖系への影響を検討した。 加熱式たばこはIQOS (ヒートスティック:レギュラー)を使用し、曝露はHCI法を用いて8週間行った。実験群はControl群、加熱式たばこ週1回曝露群 (週1回群)、加熱式たばこ週5日曝露群 (週5回群)とした。マウスの造精機能、精子性状、精巣遺伝子発現等を指標に雄性生殖系への影響を検討した。 加熱式たばこの曝露による雄性生殖系への影響を検討するために造精機能を解析したところ、週5回群ではControl群と比較して一日精子産生数 (DSN) が80%、一日精子産生能 (DSP)が80%に有意に低下した。精巣上体尾部中の精子運動能を解析したところ、週1回群、週5回群ともに運動率が低下し、精子性状の悪化が認められた。DNAマイクロアレイにより精巣遺伝子発現を解析したところ、精子形成に必要なHttが週5回群で46%、Nek1が47%に低下した。また週1回群ではこれらの影響は認められなかった。 加熱式たばこの曝露により造精機能の低下および精子性状の悪化が認められたことから、加熱式たばこの使用が雄性生殖系に悪影響をもたらすことが示唆された。また、これらの影響の一部は曝露量に依存することが示された。これらの影響が加熱式たばこの吸入を中断すると回復するかあるいは、影響が不可逆的なものなのか明らかにする必要がある。さらに、燃焼式たばこにも含まれる成分に起因するのか、あるいは燃焼式たばこに起因する成分に起因するか明らかにする必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
加熱式たばこの吸入曝露を行ったところ造精機能の低下、精子性状の悪化など、雄性生殖機能の悪化が認められた。また、雄性生殖機能の悪化は、吸入量に依存して影響が強いことも見いだした。当初計画の通り、研究を推進し、一定の知見を得ることができ、次年度以降、当初計画に従い詳細な影響解明を試みる。
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Strategy for Future Research Activity |
加熱式たばこの曝露により、雄性マウスの生殖機能が低下する知見を得たが、その影響が可逆的なものであるのか、不可逆的なものであるのかについては不明である。可逆的なものであった場合、使用者に対して、使用中止により利点がある情報を提示でき、禁煙の動機付けにつなげられる。また、不可逆的なものであった場合、現時点で使用していない者に対して使用による悪影響に関する情報を提供できる。 そこで令和5年度は、マウスに加熱式たばこを曝露することで生じる雄性生殖系への影響が一定期間、清浄大気中で飼育することによる加熱式たばこの使用中止により回復するか否かについて明らかにする。
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Research Products
(5 results)