2022 Fiscal Year Annual Research Report
新規アディポネクチン受容体結合タンパク質の機能解析と生活習慣病治療への応用
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22H03528
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
岩部 真人 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (30557236)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 敏正 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (40372370)
岩部 美紀 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (70392529)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 生活習慣病 |
Outline of Annual Research Achievements |
生活習慣病の患者数は増加の一途をたどっており、その原因を解明し先制医療を実現することは、世界的な課題の解決に貢献する挑戦的な取り組みと言える。本研究課題では、①各種遺伝子改変動物を用いたAdipoR1/AR1BPの生理的意義の解明、②AdipoR1/AR1BPの立体構造解析によるAdipoR1活性化メカニズムの解明、③ヒト型AdipoRマウスを用いたAdipoR活性化低分子化合物の最適化を研究計画の3つの柱として、新規アディポネクチン受容体結合タンパク質を介したシグナル伝達機構の解明と生活習慣病治療への応用を目指している。 令和4年度の研究実績 ①各種遺伝子改変動物を用いたAdipoR1/AR1BPの生理的意義の解明:各種肥満・2型糖尿病およびNAFLDモデルマウスの肝臓におけるAR1BPの発現変化を検討した。また、肝臓でAdipoR1の発現が低下した各種モデルマウスの肝臓に、アデノウイルスを用いてAR1BP発現量を増加させることにより、アディポネクチン/AdipoR1の作用低下に伴う糖新生の亢進、脂肪酸燃焼の低下が改善するかどうかを検証した。さらに、肝細胞特異的AR1BP欠損マウスの作製に着手した。 ②AdipoR1/AR1BPの立体構造解析によるAdipoR1活性化メカニズムの解明:AdipoR1とAR1BPの複合体について、X線結晶解析による原子分解能での構造解析からその活性化機構の解明に着手した。 ③ヒト型AdipoRマウスを用いたAdipoR活性化低分子化合物の最適化:ヒトへの最適化に向け、「ヒトAdipoR有効性検証モデルマウス」として、ヒト型AdipoRマウスの作製に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時に予定していた研究項目、①各種遺伝子改変動物を用いたAdipoR1/AR1BPの生理的意義の解明、②AdipoR1/AR1BPの立体構造解析によるAdipoR1活性化メカニズムの解明、③ヒト型AdipoRマウスを用いたAdipoR活性化低分子化合物の最適化、全ての項目において、それぞれ令和4年度に予定していた研究計画は、当初の計画通り進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度においては、当初予定していた研究計画について、概ね達成した上、さらに一部の研究計画については、当初の計画以上に進展している。そのため、本研究課題の推進において、研究計画等に大幅な変更の必要性は低く、当初の計画通り研究を推進する予定である。さらに令和4年度に新たに明らかにすることが出来たAdipoR1の立体構造情報および新たに取得したAdipoR1活性化抗体を用いて本研究課題の進展を加速させていく。
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