2022 Fiscal Year Annual Research Report
Fast and accurate eigenvalue calculations by hierarchical low-rank approximation and its application to large-scale electronic structure calculations
Project/Area Number |
22H03598
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
横田 理央 東京工業大学, 学術国際情報センター, 教授 (20760573)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荻田 武史 東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (00339615)
星 健夫 鳥取大学, 工学研究科, 准教授 (80272384)
伊田 明弘 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 付加価値情報創生部門(地球情報基盤センター), 副主任研究員 (80742121)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 固有値問題 / H行列 / 電子状態計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
電子状態計算では密行列の固有値問題を解く必要があるが、素朴な手法ではN次元の行列に対してO(N^3)の計算量を要する。既存研究では、小さい行列要素を無視することで疎行列とみなすが、疎行列近似により本来あるべき行列の正定値性が失われ、解法が数理的に破綻することさえある。そのため,疎行列に近似することなく高速に計算する手法が確立されれば、大きなブレークスルーとなる。本研究では、密行列を階層的にブロック分割し、非対角ブロックを低ランク近似することで行列積や行列分解の O(N^3) の計算量を O(N log^2 N) あるいは O(N) にまで低減できる手法を開発する。 2022年度には、まず分担者の星らが開発している電子状態計算のアプリケーションコードからH行列のライブラリを呼べるようにインターフェースを作成した。この際、密行列の各要素を生成する関数と座標の情報を渡し、ライブラリ側ではその情報を元に密行列を生成することなくH行列を直接生成した。また、H行列による固有値計算の精度保証を行うための準備段階として、2022年度にはH行列による行 列ー行列積の精度保証を行うための枠組みを構築した。既存の H 行列では、低ランク近似をしている各ブロックの近似精度が閾値以下になるようにランクを決めておりブロック単位では精度が保証されているが、ここでは H 行列全体でどの程度の精度が得られるのかを保証できることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2022年度には、まず分担者の星らが開発している電子状態計算のアプリケーションコードからH行列のライブラリを呼べるようにインターフェースを作成した。この際、密行列の各要素を生成する関数と座標の情報を渡し、ライブラリ側ではその情報を元に密行列を生成することなくH行列を直接生成した。また、H行列による固有値計算の精度保証を行うための準備段階として、2022年度にはH行列による行 列ー行列積の精度保証を行うための枠組みを構築した。既存の H 行列では、低ランク近似をしている各ブロックの近似精度が閾値以下になるようにランクを決めておりブロック単位では精度が保証されているが、ここでは H 行列全体でどの程度の精度が得られるのかを保証できることを明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度には、代表者の横田らのH行列によるコレスキー分解をLDL^T分解に拡張し、固有値の二分探索を行うことでk番目の固有値をO(NlogN)で求める方法を開発する。これと並行して2023年度には、固有値分解における三重対角化に対してH行列を適用する。これにより、密行列としては扱えない巨大な行列の全固有値を計算可能であることを明らかにする。さらに、2023年度には、H行列を用いた場合でも密行列と同じ精度で固有値計算ができていることを精度保証の枠組みを利用することで証明する。ただし、このときの実験には比較的小規模な行列を用いることで、密行列の直接解法や精度保証の計算が現実的な時間で完了するように配慮する。
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