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2022 Fiscal Year Annual Research Report

エージェントカメラ群による新しいin situ可視化

Research Project

Project/Area Number 22H03603
Allocation TypeSingle-year Grants
Research InstitutionKobe University

Principal Investigator

陰山 聡  神戸大学, システム情報学研究科, 教授 (20260052)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 坂本 尚久  神戸大学, システム情報学研究科, 准教授 (20402745)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2027-03-31
Keywords可視化 / HPC
Outline of Annual Research Achievements

大規模な計算機シミュレーションの可視化においては、今後 in situ可視化が中心的な役割を果たすと予想されている。通常のin situ可視化では可視化を行う視点位置をあらかじめ指定する必要があるが、複雑な現象のシミュレーションにおいては可視化すべき注目領域がシミュレーション空間内のどこに出現し、その後、どのように移動するかあらかじめ知ることがきない場合が多い。そのような場合でも複数の可視化視点が注目領域の近傍に自動的に配置される手法を確立することが本研究の目的である。
鍵となるアイディアはin situ可視化を行う視点を自律移動するエージェントとみなすことである。多数の可視化エージェントをシミュレーション空間に放つと、各エージェントは他のエージェントとの相互作用や周囲の環境(=シミュレーション対象の現象)に基づいて自律的に判断し、自分の位置と状態を変化させる。この手法は我々が考案した独自のin situ可視化手法「4次元ストリートビュー」を発展させたものである。
本年度は、アリ等の集団運動において重要な役割を果たすフェロモンのアナロジーに基づき、シミュレーションの注目領域がソースとなったフェロモンに可視化エージェントが誘引されるというモデルを構築し、テスト計算を行った。3次元のセルオートマトンと流体シミュレーションを例題とし、可視化エージェントの自律移動機能を実装した上で、その有効性を確認した。その結果、二つの課題が明らかになった。一つは注目領域の出現が可視化エージェントに伝わるまでに時間がかかりすぎるという問題であり、もう一つは、同じ領域に複数の可視化エージェントが集中してしまうという問題である。後者の課題は事前に予想しており、誘引フェロモンとは逆の効果をもつ別のフェロモンを導入する計画であったが、2種類のフェロモンを扱うことは技術的に難しいことも明らかになってきた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究の鍵となるアイディア、つまり自律移動する可視化エージェントという手法が実際のシミュレーションに対して本当に実現可能であることを示すことが本年度の最重要課題であった。実際にそのような可視化エージェントを実装することに成功したので、その目標は十分に達成できたといえる。この実装にあたっては共同研究者の坂本博士が開発した汎用可視化ソフトKVSを用いた。本年度中に開発したものの中で特に重要なものは以下の2点: (1) シミュレーション領域に定義した注目領域に向かって可視化エージェントがin situ可視化を行いながらなめらかに移動していく機能、(2)その可視化エージェントが撮影した可視化画像列(動画)をPC画面で再生するビューアアプリ、である。今後の研究はこれらを基盤としてさらに発展させていく。
複数の可視化エージェントが同じ注目領域に集中してしまうという問題が生じることも計画当初の想定通りであった。しかしながら、その解決方法として誘引フェロモンとは逆の効果をもつ反発フェロモンを導入するという当初の考えはうまくいかないことがわかった。これは実際にコードを作成して現実的なシミュレーションコードに組み込まないとわからなかった問題である。注目領域の出現が可視化エージェントに伝わるまで時間がかかりすぎるというもう一つの問題点も明らかになった。
具体的な問題点を明らかにすることができただけでなく、これらの課題を回避する新しい手法を考案したので、その点でも十分な進展があったと考えている。

Strategy for Future Research Activity

可視化エージェントが注目領域 (Volume of Interest, VOI)の存在を検知し、その方向に近づいていくという性質を実現するために導入した誘引フェロモンの方法には上述したように二つの課題があることがわかった。一つ目の課題(VOIの 存在が可視化エージェントに伝わるまでに時間がかかりすぎるという問題)と二つ目の課題(同じVOIに複数の可視化エージェントが集中してしまうという問題)を同時に解決する方法を最近思いついた。
それはフェロモンの代わりに静電場のアナロジーを導入することである。その基本的なアイディアは以下の通りである。VOIは 周囲の可視化エージェントを誘導する仮想的なベクトル場 (Visualization Guide Field, VGF) を生じる。静電場が正と負の電荷密度によって 分布が決まるベクトル場であるのと同様に、VGFは正と負のチャージによって分布が決まるベクトル場とする。VOIは正のチャージをもち、可視化エージェントは負のチャージをもつ。可視化エージェントは各自の位置のVGFベクトルの(逆の)向きに向かって移動する。
また、最近、研究代表者の研究室に所属する学生が興味深い手法を提案した。それは複数のエージェントをまとめて一つのグループとし、グループ内のエージェントは相対位置を固定しつつ、グループ全体が平行移動しながらVOIを追跡するという手法である。準備的な検討の結果、この手法の有効性が示されたので、今後はこの手法をさらに発展させる予定である。
また、これまでに開発した動画ビューアもさらに改善する予定である。

  • Research Products

    (11 results)

All 2022

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 3 results) Presentation (8 results) (of which Int'l Joint Research: 3 results)

  • [Journal Article] Autonomous camera for agent-based in situ visualization2022

    • Author(s)
      Yan Wang、Kageyama Akira
    • Journal Title

      Journal of Advanced Simulation in Science and Engineering

      Volume: 9 Pages: 220-230

    • DOI

      10.15748/jasse.9.220

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] In-situ Visualization of 3-D Cellular Automata2022

    • Author(s)
      Ren Sakai, Wang Yan, Akira Kageyama
    • Journal Title

      Proc. JSST 2022

      Volume: NA Pages: 355-358

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] VOIR: Interactive Visualization Software for Head-Mounted Display Devices2022

    • Author(s)
      Nobuaki Ohno, Akira Kageyama
    • Journal Title

      Proc. JSST 2022

      Volume: NA Pages: 262-265

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] In-situ Visualization of 3-D Cellular Automata2022

    • Author(s)
      Ren Sakai, Y. Wang, A. Kageyama
    • Organizer
      JSST2022
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] In situ visualization inspired by ant colony formation2022

    • Author(s)
      Y. Wang, A. Kageyama
    • Organizer
      International Toki Conference
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] Interactive Visualization of MHD simulation data with HMD and VOIR2022

    • Author(s)
      N. Ohno, A. Kageyama
    • Organizer
      International Toki Conference
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] MHD ダイナモの正四面体モデル2022

    • Author(s)
      陰山聡
    • Organizer
      プラズマシミュレータシンポジウム 2022
  • [Presentation] HMD 用対話的可視化ソフト VOIR の開発2022

    • Author(s)
      大野暢亮, 陰山聡
    • Organizer
      プラズマシミュレータシンポジウム 2022
  • [Presentation] HMD用対話的可視化ソフトVOIRの開発とその応用2022

    • Author(s)
      大野暢亮, 陰山聡
    • Organizer
      第36回数値流体力学シンポジウム
  • [Presentation] HMD用対話的可視化ソフトVOIR2022

    • Author(s)
      大野暢亮, 陰山聡
    • Organizer
      第50回可視化情報シンポジウム
  • [Presentation] プレプリントサーバ arXiv の計算科学分野で使われた可視化手法2022

    • Author(s)
      平山 颯, 陰山聡
    • Organizer
      可視化研究会 (VR2022)

URL: 

Published: 2023-12-25  

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