2022 Fiscal Year Annual Research Report
電磁場・固体連成解析のハイケーパビリティ計算を実現する数値計算法
Project/Area Number |
22H03605
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Daido University |
Principal Investigator |
荻野 正雄 大同大学, 情報学部, 准教授 (00380593)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曽我部 知広 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (30420368)
杉本 振一郎 八戸工業大学, 大学院工学研究科, 准教授 (40451794)
武居 周 宮崎大学, 工学部, 准教授 (40598348)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
|
Keywords | 計算工学 / 計算電磁気学 / 高性能計算 / 超並列計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず,(a)分割統治法に基づく領域分割型有限要素法として,非一様な再帰的領域分割で部分領域間連続性を満たすアルゴリズムを検討した.特に,偏微分方程式に対する古典的な領域分割法について再調査し,それらのアルゴリズムをドキュメントとしてまとめた.また,領域分割型有限要素法の実装として,C言語で開発した有限要素法コードをライブラリ化し,Python言語で開発したソルバからctypesモジュール経由で呼び出す方法を検討し,簡易的なシステム開発を行った.次に,(b)電磁場解析向け反復法として前処理された係数行列の理論的検討並びに数値実験調査を行った.特に,複素対称行列向けの反復法について再調査し,領域分割法による電磁界解析コードADVENTURE_Magneticsに対するCOCG法, COCR法,MINRES-like_CS法,QMR-SYM法の実装を行った.また,CGS法,Bi-CGSTAB法,GPBi-CG法についても調査を終えた.さらに,(c)電磁場-固体連成向け連成解析法として,電磁場-固体の片方向連成解析手法の実装と資源利用効率の性能評価を行った.特に,高周波電磁波-熱伝導連成解析(片方向連成)を実装し,2.7億自由度の数値人体モデルを用いた試解析を行った.また,時間調和渦電流-熱伝導連成解析(双方向連成)についても実装を行い,1.5億自由度の円管誘導加熱モデルを用いた試解析を行った.また,領域分割法による高周波電磁界解析コードADVENTURTE_FullWaveの高速化・省メモリ化について検討した. また,計算電磁気学の専門家を集めた「第6回大規模電磁界数値解析手法に関する研究シンポジウム」(2023年2月22日~23日,八戸)を主催し,研究成果発表や討論を通じて,本研究課題の成果普及および今後の継続的発展体制の構築に繋げることができた
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要で述べた項目(a)~(c)はほぼ当初計画通りであり,さらに研究進捗報告を兼ねた研究シンポジウムをオンライン開催するなど,おおむね順調に進展していると言える.
|
Strategy for Future Research Activity |
おおむね順調に進展しているため,当初計画通りに研究遂行していく予定である.特に,項目(a)について分割統治法に基づく領域分割法アルゴリズムの再構築を進めていく.また,2022年度にはヘテロジニアスマルチコアとなるP-コア・E-コア混在型プロセッサについて基本線形代数演算を用いた並列評価を実施しており,その成果を発展させ,ヘテロジニアス型コンピュータの資源有効活用や性能最大化に向けた研究を加速させていく.
|