2022 Fiscal Year Annual Research Report
多元歯形状データベースに基づくAIベース歯科治療支援システムの開発
Project/Area Number |
22H03615
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
諸岡 健一 岡山大学, 自然科学学域, 教授 (80323806)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上岡 寛 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (80253219)
宮内 翔子 九州大学, システム情報科学研究院, 助教 (40828555)
河野 加奈 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (40780862)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 歯科治療支援 / 多元歯形状データベース / マルチスケール・マルチフィジックス実時間解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該研究は,歯科治療の効果・確実性の飛躍的な向上を目指し, 申請者が有する実時間有限要素解析システム(neuroFEM) と,3,000 人以上からなる歯列の3次元形状データベースを融合することで,患者の3 次元歯列形状データから,その歯の様態に適切なオーダーメイド矯正治療計画を提示する,次世代の歯科治療支援システムの開発を目的とする. 2022年度では,3,000人以上の歯列形状モデルを使って,任意の本数の歯からなる歯列形状データから,個々の歯を自動的に抽出する手法について研究を行った.この手法の開発のため,まず岡大歯学部が有する歯列形状モデルのうち150人分を用いて,個々の歯を手動で切り出し,7種類の歯(中切歯,側切歯,犬歯,第一・第二小臼歯,第一・第二大臼歯)のデータベースを構築した.また,各種の歯ごとに,その歯の平均形状およびその形状の多様性を記述する統計的形状モデル(Statistical Shape Model: SSM)を構築した. 次に,既存の歯抽出システムであるMeshSNetを使って,歯列形状データから歯と思われる領域を抽出する.しかし,抽出した領域がどの歯の種類であるかは不明である.そこで,既存の物体認識システムであるDGCNNに基づき,歯データベースを使って,与えられた3次元形状から歯の種類を認識するシステムを構築した.そして,認識した歯に対応するSSMを使って,MeshSNetによって抽出された領域から歯の形状のみを抽出,あるいは欠損部を補間する技術を開発した.これらの処理を組み合わせた提案システムでは,MeshSNetより歯の抽出精度を向上することができた.一方,MeshSNetで領域抽出精度が悪い場合,提案システムでもその精度向は困難であった.そのため,2023年度ではこの問題点を解決し,システムの完成を目指す.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」で述べたように,歯列形状データから,個々の歯を自動的に抽出するシステムの基本的な処理は開発し,その精度は歯科治療支援に対し十分である.したがって,本研究はおおむね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
一方,MeshSNetは,「歯列は14本からなる」を前提としている.そのため,14本からなる歯列データに対しては,本システムは精度良く個々の歯形状を抽出できている.しかし,「歯列は14本からなる」は必ずしも保証されない,つまり人によっては14本より少ないことがある.このような場合,「研究実績の概要」で述べた,MeshSNetで領域抽出精度が極端に悪くなる.そのため,2023年度では,14本より少ない歯列データに対しても,安定して個々の歯形状を抽出できるようシステムを改良する.
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