2022 Fiscal Year Annual Research Report
体性感覚の尤度低下手法による視覚-体性感覚統合の制御とリダイレクションへの応用
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22H03628
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鳴海 拓志 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 准教授 (70614353)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 啓吾 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 助教 (20909527)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 多感覚統合 / 尤度 / 体性感覚 / 視覚 / リダイレクション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,多感覚情報は各感覚の信頼度(尤度)を重みとして統合されるという知見に基づき,(A)ユーザに自覚させずに体性感覚の尤度を低下させることで体性感覚と視覚の感覚統合に影響を与え,視覚に強く依拠した知覚を成立させる手法を明らかにすることである.この手法を応用し,(B)視覚で体性感覚を上書きすることで実空間の制約を軽減したバーチャル空間での身体的インタラクション(触力覚提示,無限歩行等)を可能にするリダイレクションの新しい方法論を開拓し,(C)有効性や副次効果,適用限界を検証して提案手法の有用性を示す. 本年度は,(A)として,実際の運動と異なる運動を視覚的にフィードバックするバーチャル環境において,体性感覚の信頼度を下げる腱電気刺激を併用した場合に,視覚と体性感覚のずれの閾値が変化するかを計測した.その結果,腱電気刺激を用いることで閾値が約6%拡大することが示された. また,(B)として,腱振動刺激により体性感覚情報にノイズを加えることで,Pseudo-hapticsをより視覚情報に依拠した知覚として成立させる手法を提案し,その評価をおこなった.その結果,腱振動刺激はユーザに気づかれずに運動ゲインを適用できる範囲を約13%拡大できることが示された.また,腱振動刺激はPseudo-hapticsの解像度には大きな影響を与えないことも示された.他方,同実験における(C)に関する検討からは,腱振動は感覚の信頼度操作の機能を持つだけでなく,それ自体がPseudo-hapticsにおける力の手がかりとしても機能してしまうという課題も明らかとなった.力の手がかりとしての機能がどの程度のもので,どのような条件で影響が顕在化するか等については今後検討の必要がある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで研究が順調に進展し,腱電気刺激の効果や腱振動刺激が確認され,Pseudo-hapticsやリダイレクテッドハンドでの効果も検証できているため.
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Strategy for Future Research Activity |
基礎検討を通じて体性感覚の尤度低下手法の効果を確認できたことから,ローカルな身体姿勢を操作するリダイレクテッドハンドとグローバルな身体姿勢を操作して空間知覚を操作するリダイレクテッドウォーキングの両者に関して,体性感覚の尤度低下操作が感覚統合の結果に与える影響を明らかにし,その比較から感覚統合メカニズムを推定する研究をおこなっていく.
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