2022 Fiscal Year Annual Research Report
精神疾患の生理指標を用いた機械学習モデル構築および診断支援システムの研究開発
Project/Area Number |
22H03680
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
島崎 みどり (菅谷みどり) 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (50434288)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 昌臣 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (30384027)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | うつ病 / 発達障害 / 生体計測 / 診断支援 / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、精神状態の検査において簡易な生体計測にて効率的かつ客観的な検査を行うための機械学習手法およびシステムの研究開発である.近年、精神疾患の判別をするモデル構築にて成果が上がっているが、複数の精神疾患の判別モデルの構築,および説明責任を果たすレベルの手法の解明には至っていない.本研究はこの課題の解決に寄与する,医療サービスの質の向上につながり得る. 本研究の現状の成果は、次の1)-2)である.1)精神疾患を推定するモデル構築、2)新たな共同研究の進展.1)においては、精神疾患の1つであるうつ病の重症度を60%の正解率で推定するモデルを構築した.うつ病の重症度の推定が可能となれば、重症度により適切な配分で治療を行うなども可能となり得るため、その意義は大きい.例えば、うつ病の重症度が高く自殺のリスクが高い人に対して重点的な治療を行うといった対応が可能となり得る.また、うつ病・双極性障害・健常者の推定をするモデルを構築した.うつ病と双極性障害は症状が似ており判別が困難な病である.これら病の判別の助けとなり得るモデルの構築の意義は大きい. 2)においては、脳波計メーカーとの協業,国際共同研究への発展,複数大学との共同研究へと発展した.脳波計メーカーは,うつ病専用脳波計開発で共同研究.大阪大学とは、うつ病の判別のための脳波計開発やその省電力化に関する共同研究へと発展した.うつ病の判別に特化した脳波計を開発することで脳波計の電極を少なくなり、機器導入の妨げとなる金額の低減へとつながり得るためその意義は大きい.また、医療機関である慈恵医科大学,国際共同研究としてベルギーのルーヴァン・カトリック大学とはうつ病の判別に関する共同研究へと発展した.これにより、うつ病を判別するモデルのさらなる信頼性や妥当性の検証、システム開発の詳細な要件定義やヒアリングへとつながり得る大きな成果を得た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
現在までの進捗状況を”当初の計画以上に進んでいる”と考える.その理由として、計画以上の進捗である国内・国外の研究組織との共同研究への発展を挙げる. 脳波計メーカーや大阪大学とは、うつ病の判別のための脳波計開発やその省電力化に関する共同研究へと発展した.うつ病の判別に特化した脳波計を開発することで脳波計の電極を少なくなり、機器導入の妨げとなる金額の低減へとつながり得るためその意義は大きい. また、医療機関である慈恵医科大学との共同研究については,臨床データの共有による分析力の強化などにつながるものとなった. さらに国際共同研究としては,ベルギーのルーヴァン・カトリック大学とうつ病の判別に関する共同研究へと発展した.これにより、うつ病を判別するモデルのさらなる信頼性や妥当性の検証、システム開発の詳細な要件定義やヒアリングへとつながり得る. 以上の計画以上の進捗である国内・国外の研究組織との共同研究のため、現在までの進捗状況を”当初の計画以上に進んでいる”と考える.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策を次の3点に沿って述べる.1)精神疾患の患者・健常者の生体情報の計測,2)精神疾患に与える要因の影響の分析、3)医者の診断のためのリアルタイムシステム基盤の開発. 1)を実現するためには,データ提供を行う事業所の継続的な協力が必須である.そのためには,事業所へのアウトリーチ活動を行い,本研究の意義について説明を行い,理解をしてもらい協力をしてもらうことが重要である. 今後の研究の推進のために,本活動を第一の方策として実施する. 2)に関する方策として、生体情報の計測時の薬の投薬状況や病理経験の収集を行う予定である.これまでの継続的なデータ計測により、生体情報・薬の投薬状況などの情報を収集してきた.引き続き、分析をするためのデータ収集を実施し, 要因の影響分析方法などの検討を行う. 3)に関する方策として、システム基盤に必要なリソースの見積もりや医療関係者とのヒアリングを実施する予定である.精神疾患の重症度や複数の精神疾患を推定するモデルを構築することで、これらのモデルを構築・使うためのリソースに見通しを立てるための情報を収集してきた.この情報をもとにリソースの見通しを立てる予定である.また、研究の成果として複数機関との共同研究へと進展した.共同研究先とのヒアリングをすることで、システム基盤構築にあたり必要な要件定義を実施予定である.
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