2023 Fiscal Year Annual Research Report
海鳥に対する洋上風力発電のリスクを予測する実用的な環境アセスメント手法の確立
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22H03755
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
風間 健太郎 早稲田大学, 人間科学学術院, 准教授 (60726842)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 環境影響評価 / 洋上風力発電 / バードストライク / 生態リスク |
Outline of Annual Research Achievements |
急増する洋上風力発電(洋上風力)は海鳥の餌場を消失させたり風車との衝突リスクをもたらしたりするが、現在それらのリスクを精度よく評価・予測する環境アセスメント手法は確立していない。本研究では、北海道で繁殖するカモメ類2種を対象に船舶や海岸からの目視など既存の複数の海鳥観測手法とGPSトラッキング手法を同時に実施し、それぞれの手法から洋上風力のリスクを予測する。それぞれの予測結果を比較・検討し、GPSトラッキングと同様のリスク予測精度を得るための既存手法の最適な組み合わせや実施頻度を検証する。これらにより、洋上風力の海鳥に対するリスクを精度よく予測する実用的な環境アセスメント手法を確立する。
研究2年目である2023年度は、前年度同様にカモメ類2種のGPSトラッキング調査と同時に定期航路フェリーを用いた洋上分布調査を5-7月の繁殖期を通して実施した。海洋環境や餌条件の違いからカモメ類の洋上分布は前年度と異なったものの、本年度においても数十kmの大きなスケールにおいてはフェリーセンサスによってGPSトラッキングデータをある程度再現できることが推察された。GPSデータロガーの技術的な制約によりカモメ類の高解像度の位置情報が得られにくいという課題も発見された。次年度以降、とくに沿岸域におけるカモメ類の詳細な環境利用についてはドローン等も併用して調査を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計測機器の技術的課題が露見されたものの、大型フェリーによるセンサスとGPSトラッキングデータとの整合性検証は実施できた。ドローンの導入等、次年度以降の課題解決に向けた方策も構築できている。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は前年同様のGPSトラッキング調査と定期航路フェリー調査に加え、沿岸域におけるより細かな空間スケールにおけるカモメ類の環境利用の解明のためにドローンによる上空からの洋上海鳥分布調査を実施する。
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Research Products
(9 results)