2022 Fiscal Year Annual Research Report
バクテロイデス門の新たな糸状性細菌の制御による活性汚泥の固液分離特性の向上
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22H03771
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
新田見 匡 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 准教授 (20377089)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 用排水システム / 生物環境プロセス / 糸状性細菌 / バクテリオファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
都市下水処理施設における固液分離障害を解決するため、活性汚泥のバルキングを誘引するバクテロイデス門の細菌種の把握し、その特異的な制御方法を確立することが本研究の目的である。本年度はバクテロイデス門の糸状性細菌の網羅的探索のため、以下の研究を実施した。 1) 下水処理活性汚泥のFISH分析:国内各地の下水処理施設より採取した活性汚泥試料について、バクテロイデス門のバクテロイディア網の細菌を中心に検出するプローブを用いてFISH分析を行った。FISHにより観察された糸状性細菌についてその形態を整理し、各形態が優占する活性汚泥試料をリストアップした。 2) 下水処理活性汚泥のアンプリコンシークエンシング:1)でリストアップした活性汚泥試料よりDNAを抽出して16S rRNAのV1-V9領域(約1,500 bp)のアンプリコンシークエンシングを行った。試料に優占する各細菌の16S rRNA遺伝子の塩基配列を得た。 3) 新規糸状性細菌の特定:2)で得られた各細菌の16S rRNA遺伝子の系統を解析し、バクテロイデス門に属する16S rRNA遺伝子を選別した。その16S rRNAに特異的なプローブを新たにデザインして活性汚泥試料のFISH分析を行った。デザインしたプローブで染色される細菌の形態を観察したところ、これまでに報告のない糸状性細菌をバクテロイデス門の複数の系統において確認することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定した計画をおおむね実施することができ、また期待した成果を挙げることもできたため、「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
特定した新たなバクテロイデス門の糸状性細菌について、生理学的特性の解明、および増殖制御因子の探索を実施する計画である。
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