2022 Fiscal Year Annual Research Report
Wastewater treatment by micloalgae co-culture system
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22H03803
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
山田 亮祐 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 准教授 (40608626)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 光合成 / 微細藻 / アスタキサンチン / 酵母 / バクテリア |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、光合成を行う微細藻の培養に排水を用いることで、一般的な活性汚泥法では除去困難なリンや窒素を除去する高度排水処理の検討が進められている。研究代表者は微細藻と酵母やバクテリアなどの従属栄養微生物との共培養により微細藻の増殖速度が向上する現象を見出している。本研究では特に排水の高度処理に微細藻共培養系を利用し、さらにその細胞残渣をカスケード利用により種々の用途(飼料・肥料・バイオ燃料等)に余すことなく利用する、高度排水処理-有用物質生産共役システムの構築を目指す。 2022年度は抗酸化作用を有する有用物質であるアスタキサンチンを生産する緑藻Haematococcus lacustris、Haematococcus sp.およびアスタキサンチンを生産する従属栄養微生物Xanthophyllomyces dendrorhous(酵母)、Sphingomonas astaxanthinifaciens(グラム陰性菌)との共培養につて検討した。はじめに、フローサイトメーターを用い、共培養時にそれぞれの細胞数を正確に測定するための方法を確立した。次に共培養時における各微生物の細胞数、アスタキサンチン生産量の経時変化を測定したところ、特にグラム陰性菌S. astaxanthinifaciensと緑藻H. lacustrisおよびHaematococcus sp.とを共培養した場合に、緑藻の増殖能が向上し、アスタキサンチンの生産量が増加することが確認された。さらに、共培養時に培養液を通常よりも強い光に晒すことで、アスタキサンチン生産量がさらに増加することが確認された。 以上より、2022年度は共培養により有用物質であるアスタキサンチンの生産量を増加させる共培養微生物およびその適切な培養条件を明らかにすることに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画では、2022年度において、微細藻共培養系の構築に資する微生物の選定を行う予定であった。当初の計画の通り、2022年度は共培養により、有用物質であるアスタキサンチンの生産量を増加させる共培養微生物の組合せを複数同定することに成功したため、研究は順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
研究は順調に進展しているため、2022年度に見出した共培養系を用い、当初の研究実施計画に従って研究を推進する。
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