2023 Fiscal Year Annual Research Report
Wastewater treatment by micloalgae co-culture system
Project/Area Number |
22H03803
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
山田 亮祐 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 准教授 (40608626)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 光合成 / 微細藻 / 共培養 / 酵母 / バクテリア |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、光合成を行う微細藻の培養に排水を用いることで、一般的な活性汚泥法では除去困難なリンや窒素を除去する高度排水処理の検討が進められている。研究代表者は微細藻と酵母やバクテリアなどの従属栄養微生物との共培養により微細藻の増殖速度が向上する現象を見出している。本研究では特に排水の高度処理に微細藻共培養系を利用し、さらにその細胞残渣をカスケード利用により種々の用途に余すことなく利用する、高度排水処理-有用物質生産共役システムの構築を目指す。 2023年度は緑藻Chlamydomonas reinhardtiiと酵母Saccharomyces cerevisiaeとの共培養における培養条件の最適化を行った。共培養におけるC. reinhardtiiとS. cerevisiaeとの初期植菌比率を詳細に検討したところ、その細胞数比を1:3にしたときに、培養18日後のC. reinhardtiiの細胞数が133 × 10^5 cells/mLと最も高くなることが明らかとなった。この細胞数はC. reinhardtii単培養の場合と比較して1.5倍の値であった。また、トランスクリプトーム解析により、共培養によるC. reinhardtiiとS. cerevisiaeの遺伝子発現量の変化を解析することで、共培養によるC. reinhardtii増殖能向上の原因について考察した。共培養により、C. reinhardtiiでは363 個、S. cerevisiaeでは 815 個の遺伝子の発現量が変化していた。これらの遺伝子には、C. reinhardtiiのアンモニウム輸送および CO2濃縮機構に関与する遺伝子やS. cerevisiaeの解糖およびストレス応答に関与する遺伝子が含まれており、これらの要因により、共培養系においてC. reinhardtiiの増殖能が向上したことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画では、2023年度において、微細藻共培養系の培養条件の最適化を行う予定であった。当初の計画の通り、2023年度は緑藻Chlamydomonas reinhardtiiと酵母Saccharomyces cerevisiaeとの共培養条件の最適化を行い、C. reinhardtiiの増殖能を大幅に向上させることに成功した。さらに、2023年度は、当初の計画を超えて、トランスクリプトーム解析により、共培養系においてC. reinhardtiiの増殖能が向上した原因を初めて明らかにした。従って、本研究は当初の計画以上に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
研究は当初の計画以上に順調に進展しているため、引き続き、当初の研究実施計画に従って研究を推進する。
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