• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2022 Fiscal Year Annual Research Report

Development of constructed wetlands decarbonizing advanced treatment of sewage and its verification using a pilot-scale system

Research Project

Project/Area Number 22H03804
Allocation TypeSingle-year Grants
Research InstitutionNihon University

Principal Investigator

中野 和典  日本大学, 工学部, 教授 (30292519)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 和木 美代子  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産研究部門, 上級研究員 (10355092)
志村 もと子  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 西日本農業研究センター, 上級研究員 (70502920)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywords干満流人工湿地 / アナモックス菌 / 下水処理
Outline of Annual Research Achievements

まず人工湿地への最新技術の導入効果を検証するため、パイロットスケールの人工湿地のろ床を干満流と部分飽和を適用した多層化ろ床へと改変するとともに、機能性ろ材であるゼオライトにろ材を改変する工事を実施した。初年度であるR4年度は、アナモックス細菌などの機能性微生物の外部からの接種以前の下水処理性能や各種特性、下水処理におけるカーボンフットプリントを評価することを目的とした調査研究を実施し、以下の成果を得た。
研究課題(1)干満流の適用とその頻度が下水処理性能に及ぼす効果の検証:パイロットスケールでの干満流適用頻度を6hインターバルとして下水の試験処理を実施した結果より、干満流適用頻度6hでは好気処理性能は限界に至らないことが明らかとなった。
研究課題(2)機能性微生物接種以前の人工湿地ろ床の微生物群集の把握:アナモックス細菌を外部から接種しない条件下で、干満流を適用したろ床内の微生物群集を調査したところ、パイロットスケールの人工湿地のB区およびC区の2段および3段目のろ床のすべてより、真正細菌、アンモニア酸化細菌、亜硝酸酸化細菌のDNAが検出されたのに対し、アナモックス菌のDNAは、B区の2段目以外で検出された。しかしアナモックス菌の濃度はいずれも低く、真正細菌の0.1 % 以下であることが明らかとなった。
研究課題(7)人工湿地による下水処理でのカーボンフットプリントの検証:パイロットスケールの人工湿地による下水処理におけるカーボンフットプリントを究明して、水処理と汚泥処理における脱炭素効果を定量化する準備として、ライフサイクルアセスメントの解析対象とする仮想的な人工湿地(標準型人工湿地と定義)のスペックを決定した。次いで解析に必要なインベントリデータとして、建設過程のデータの収集を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初計画に沿ってパイロットスケールの人工湿地のろ床を干満流と部分飽和を適用した多層化ろ床へと改変するとともに、機能性ろ材であるゼオライトにろ材を改変する工事を実施し、ほぼ計画通りに2022年9月より、干満流と部分飽和を適用した条件での下水の試験処理を開始しており、順調である。研究課題(1)の成果として、干満流適用頻度6hでは好気処理性能は限界に至らないことが明らかとなり、引き続きこの条件での下水の試験処理を継続し、下水処理原単位を確定する。研究課題(2)の成果として、アナモックス細菌を外部から接種しない条件下においてもアナモックス菌のDNAは検出されるが、その濃度は僅かであり、真正細菌の0.1 % 以下であることを明らかにすることができた。研究課題(7)の成果として、人工湿地による下水処理におけるカーボンフットプリントを究明する方策として、仮想的な人工湿地(標準型人工湿地と定義)を設定することを決定した。さらに解析に必要なインベントリデータとして、建設過程のデータを得た。以上の調査研究の進捗により、おおむね順調に進展しているといえる。

Strategy for Future Research Activity

ここまで計画どおりに進展していることから、特に計画の変更は行わず、当初計画に沿って調査研究を進める。研究課題(1)及び(2)については、中長期的な状況を検証するため、引き続き、機能性微生物添加以前の下水浄化性能と機能性微生物の存在の有無を検証する。研究課題(3)機能性細菌接種以後の人工湿地ろ床の微生物群集の把握については、令和5年度後半にアナモックス細菌を外部から接種し、生残特性を検証する。研究課題(4)機能性細菌の生残特性に及ぼす影響の検証については、ろ材が異なる区画での差異を検証し、機能性微生物の定着に及ぼす影響を確認する。研究課題(5)機能性細菌の接種が下水処理性能に及ぼす効果の検証については、機能性微生物接種以後の下水浄化性能をモニタリングし、接種以前の下水浄化性能との差異より、その効果を検証する。研究課題(6)人工湿地による下水処理における生成汚泥量の定量については、人工湿地ろ床表層における下水汚泥の分解速度を定量する実験を実施し、人工湿地における汚泥減容化率や汚泥蓄積速度を明らかにする。研究課題(7)人工湿地による下水処理でのカーボンフットプリントの検証については、設定した仮想人工湿地(標準型人工湿地と定義)をモデルとしてカーボンフットプリントの算定を試みることを計画している。

  • Research Products

    (7 results)

All 2023 2022

All Presentation (7 results)

  • [Presentation] ひとつのろ床内に干満流と水平流を組み合わせたハイブリット人工湿地の下水浄化特性2023

    • Author(s)
      吉野謙司、中平皓介、中野和典、谷口崇至
    • Organizer
      第57回日本水環境学会年会
  • [Presentation] ろ材の粒径が干満流と水平流を導入した人工湿地の水質浄化性能に及ぼす影響2023

    • Author(s)
      永山太一、中野和典
    • Organizer
      令和4年度土木学会東北支部技術研究発表会
  • [Presentation] 汚水の流入深さとC/N比が干満流と水平流を組み合わせた人工湿地の水質浄化性能に及ぼす影響2023

    • Author(s)
      橋本徳義、中野和典、和木美代子
    • Organizer
      令和4年度土木学会東北支部技術研究発表会
  • [Presentation] 干満流と水平流を組み合わせた人工湿地の水質浄化性能に及ぼす有機物濃度条件の影響2023

    • Author(s)
      野地克人、中野和典
    • Organizer
      令和4年度土木学会東北支部技術研究発表会
  • [Presentation] 汚水の流入深さとC/N比が干満流と水平流を組み合わせた人工湿地の水質浄化性能に及ぼす影響2023

    • Author(s)
      橋本徳義、中野和典、和木美代子
    • Organizer
      第14回廃棄物資源循環学会東北支部・第10回日本水環境学会東北支部合同研究発表会
  • [Presentation] 干満流と水平流を組み合わせた人工湿地の水質浄化性能に及ぼす有機物濃度条件の影響2023

    • Author(s)
      野地克人、中野和典
    • Organizer
      第14回廃棄物資源循環学会東北支部・第10回日本水環境学会東北支部合同研究発表会
  • [Presentation] 下水を浄化する人工湿地への干満流と水平流条件の導入効果2022

    • Author(s)
      吉野謙司、中野和典、谷口崇至
    • Organizer
      日本水処理生物学会第58回大会

URL: 

Published: 2023-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi