2023 Fiscal Year Annual Research Report
Strategic Overtourism Symptomatic Treatment for Sustainable Tourism
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22H03849
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
岡本 直久 筑波大学, システム情報系, 教授 (70242295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 哲夫 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 教授 (40272679)
崔 瑛 神奈川大学, 国際日本学部, 准教授 (60635770)
古屋 秀樹 東洋大学, 国際観光学部, 教授 (80252013)
栗原 剛 東洋大学, 国際観光学部, 教授 (80610344)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | オーバーツーリズム / 観光行動 / 分散化方策 |
Outline of Annual Research Achievements |
観光地におけるオーバーツーリズムの解決方策立案を定量的・定性的な分析技法にもとづいた計画理論の体系的構築を目指している.本研究の主たる課題は、次に述べる3点であり、それぞれについて、進捗状況も記載する. 第1の研究課題は,オーバーツーリズムの原因となる需要超過状態の規模と継続性についての見通し,すなわち需要構造の解明技術開発である.恒常的な容量拡大を想定した場合に見合う需要が将来に亘って継続するかどうかの見極めや,一時的な容量拡大,需要の時間的な分散策等,適切に効果的な施策を考案するためには,施策に対する弾力性推計も可能な需要構造の解明とモデル化が必要である.これについて,分析の基本となる観光者の移動履歴データ,いわゆるビッグデータを入手し,周遊行動分析を実施している段階である. 第2の研究課題は,需要及び観光地を取り巻く諸条件を前提に,適応しうる対処療法を導き出せる意思決定支援技術の開発である.この目的のために,国内外の対処療法適用事例を整理している段階である. また第3の研究課題は,オーバーツーリズムの対処療法がもたらす影響を定量的・定性的に示しうる技術の構築である.対処療法は国内外に多数あるものの,検討が必要な個別観光地にとって,どの対処療法が最も効果であるかを判断するための術が無いのが現状である.また,需要抑制における望ましい需要規模を示すことの出来る方法論は存在しない.交通混雑解消等の目標値は交通工学技術が応用可能であるが,来訪者の満足度といった心理的な影響や地域社会,経済活動に与える影響を考慮した方法論が必要である.こちらについては,第1および第2の研究課題が出来上がり次第,取り組むこととなる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年5月までコロナ禍の影響が残ったため,オーバーツーリズム状態の旅行者行動データの入手が遅れたため,第1の研究課題の分析が完了していない. また,過去の事例についても,必ずしも多くの事例がデータも伴って分析・報告されていないため,事例を増やす努力をしている.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き,鎌倉市を対象とした移動履歴データを用いた,観光地域内における観光行動のモデル化を進める.この時,従来の逐次行動選択型モデルによる記述および移動経路全体を選択肢とするパターン選択型モデルによる記述のいずれが良いかについても検討を加えることとしている. また国内外の事例について,施策事例の経過観察等を加えながらデータベース作成を継続する.
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Research Products
(7 results)