2022 Fiscal Year Annual Research Report
A Comprehensive Study on the Implementation of Degrowth Tourism Policies in the Post-Overtourism Period
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22H03858
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
阿部 大輔 龍谷大学, 政策学部, 教授 (50447596)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高澤 由美 山形大学, 大学院理工学研究科, 准教授 (20509054)
岡村 祐 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 准教授 (60535433)
西川 亮 立教大学, 観光学部, 准教授 (70824829)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | オーバーツーリズム / 脱成長型観光政策 / 持続可能な観光 / ポストコロナ / ジェントリフィケーション / 場所の低俗化 / 宿泊施設 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、オーバーツーリズムの概念整理ならびに対象都市のこれまでの観光地化ならびに観光政策の系譜を把握するとともに、covid-19の世界的蔓延により急激な変化を余儀なくされた国際的観光都市の観光活動と観光政策の現状を把握することを目的に研究を進めた。具体的には、研究対象都市を中心に国内外の事例を収集し、オーバーツーリズムの状況ならびにコロナ後の各都市の観光政策の展開についてのデータベースを作成した。あわせて、オーバーツーリズム期に深刻化していた諸問題(宿泊施設の増殖や地価の高騰に伴う地区構造の変容など)の議論の変化を追跡した。具体的な海外調査として、バルセロナ、アムステルダム、エジンバラを訪れ、各都市の変化を行政組織、住民組織、研究者との議論を通して把握するよう努めた。研究成果として、公益財団法人後藤・安田記念東京都市研究所の専門誌「都市問題」への論文発表(「オーバーツーリズムからの教訓:観光と居住環境の保全の両立に向けて」)、日本都市計画学会「都市計画」への論文発表(「京都市非居住住宅利活用促進条例の可能性と課題」)、書籍の分担執筆(「対話型政策決定の新たなかたち バルセロナのオンライン・プラットフォームDecidimの試み」/「オーバーツーリズムを経験した観光地のこれからを考える」)、関連学会(日本建築学会大会や日本都市計画学会関西支部)での論文発表(「観光地におけるウェルビーイングの測定に関する一考察」/「市町村都市計画マスタープランにおける観光分野の記載状況」/「簡易宿所の成立背景とオーバーツーリズムにともなった変容に関する研究」)などが挙げられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度はcovid-19の世界的な感染状況が落ち着きを見せ始めたものの、航空運賃の上昇等の影響もあり、当初予定していた海外調査が部分的にしか実施できなかった。そのため「やや遅れている」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の事例調査を通して、本研究の調査対象都市を、A:「歴史的観光都市」、B:「大都市・市街地型」、C:「リゾート型」に分類し、Aの対象としてヴェネツィア(イタリア)、パルマ・デ・マジョルカ(スペイン)、京都、由布院、Bの対象としてバルセロナ(スペイン)、ベルリン(ドイツ)、アムステルダム(オランダ)、Cの対象としてホノルル(アメリカ)、コーンウォール(イギリス)、倶知安、に定め、それらオーバーツーリズム経験都市における、コロナ禍による一連の観光活動の停滞(宿泊施設や観光系店舗の廃業など)が地域に与えている影響やその後の政策の議論について把握・分析を進めていく。
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