2023 Fiscal Year Annual Research Report
レーザー分光を用いた多重置換同位体分子計測法の開発
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22H03869
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
富田 英生 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (20432239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 理 名古屋大学, 環境学研究科, 助教 (00293720)
植村 立 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (00580143)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 同位体分子 / レーザー分光 / 放射性同位体 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 中赤外キャビティーリングダウン吸収分光法の開発 前年度設計したガスセルについて、量子カスケードレーザーを用いてキャビティーリングダウン吸収分光における基礎特性を測定した。圧力・温度が一定となる条件でリングダウン信号の減衰率のばらつきをアラン分散にて評価し、分光感度を評価した結果、1×10^-10(約40 s積算)であり、対象とする多重置換CO2同位体分子の吸収量を0.1パーセントを超える精度で測定できる性能を有していることを明らかにした。また、ガスセルの温度・圧力の安定化に着手した。圧力をフィードバック制御することでセル内圧力は要件を満たすことが確認されたが、導入ガス温度については同一試料の繰り返し測定の結果より不十分であることが示唆された。 2. 試料導入法の開発と分析性能評価 高精度分析に適した分析試料の前処理および導入系の開発を進め、CO2ガスを導入する系を構築した。炭酸塩を対象とした高精度な多重置換CO2同位体分子の存在比測定を行うためのリン酸分解装置を試作した。試料の前処理および導入系をキャビティーリングダウン吸収分光装置への接続し、問題点を抽出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
同位体比精度が目標に到達していないものの、その要因の一部は明らかになっており、最終年度までに当初計画通りの成果が得られるものと想定されるため。
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Strategy for Future Research Activity |
ガスセル内の温度を高精度に制御する必要があることが明らかとなったため、その対策を検討する。また、光共振器とレーザー光源の結合を見直すことで信号安定化に寄与する可能性が見いだされため、その検討を実施する。
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