2022 Fiscal Year Annual Research Report
Information Design for Universal Science-Museums
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22H03884
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
生田目 美紀 京都女子大学, 家政学部, 教授 (20320624)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 正美 筑波技術大学, 産業技術学部, 客員研究員 (10895460)
堤 千絵 独立行政法人国立科学博物館, 植物研究部, 研究主幹 (30455422)
小池 渉 ミュージアムパーク茨城県自然博物館, 資料課, その他 (70568427)
鵜沢 美穂子 ミュージアムパーク茨城県自然博物館, 資料課, 学芸員 (40582838)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 自然博物館 / 植物園 / インクルーシブデザイン / 情報デザイン / ユニバーサルデザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
ミュージアムパーク茨城県自然博物館をフィールドにした情報デザイン研究においては、博物館のメイン展示である恐竜のジオラマの解説に取り組んだ。具体的には、QRコードで提示可能な手話と字幕解説付きの展示解説を2つ作成した。ひとつは展示導入のタイムリボン解説、もうひとつはジオラマ展示のストーリーと恐竜の種類(鳥盤類・竜盤類)の解説である。手話話者に演じてもらったが、解説に必要な専門用語の手話が無いため、手話言語研究所所長の指導を受けて制作にあたった。動画コンテンツは内容のわかりやすさを追求するために、骨盤の構造など必要なイラストを追加した。イラストは恐竜研究の専門家のもと簡略化の工夫を行った。さらに、(コロナ前)毎年実施されている冬のユニバーサル特別展に向けて、「さわってわかる、見てわかる、聴いてわかる、生きものの鳴き声装置」の開発に取り組んだ。開発において、聴覚に障害のある学生とともに、インクルーシブデザイン・ワークショップ(WS)を2回実施した。1回目は対象となる生きものを選定することを目的とし、聞こえの違いがわかりやすい生きものとしてカエルを選定した。2回目は装置の振動と見える化についてのWSを実施し、必要要件を洗い出した。 国立科学博物館筑波実験植物園をフィールドとした情報デザイン研究では、屋内展示を対象とし、食虫植物を取り上げた。解説動画は字幕と手話を併用する形式で制作した。手話は手話話者に依頼したが、説明に必要な専門用語の手話が無いため、聾学校理科教諭の指導のもとCLを併用して表現した。解説動画は食虫植物の展示コーナーで一般公開し、動画の最後にアンケートの仕組みを組み込み常設した。その他、植物園主催の「手話で楽しむ植物園」イベントに参画させていただき、手話解説と提示資料の関係について工夫検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ミュージアムパーク茨城県自然博物館をフィールドにした研究では、ハートフルミュージアム展において、恐竜手話動画解説を使ったワークショップを予定していたが、感染防止対策の関係で前述の企画展が開催されなかったため、恐竜解説動画を使ったワークショップが開催できなかった。 その他の研究活動は計画通り遂行できた。
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Strategy for Future Research Activity |
ミュージアムパーク茨城県自然博物館をフィールドにした情報デザイン研究では、「さわってわかる、見てわかる、聴いてわかる、カエルの鳴き声装置」を完成させ、恐竜展示解説と合わせて、冬のハートフルミュージアム企画展で、多様な来館者に向けて実証実験を行う。 国立科学博物館筑波実験植物園をフィールドとした情報デザイン研究では、3月のラン展に向けて、誰もが楽しめる展示の工夫を検討し、情報デザインを行い、その効果等について、実践的検証を行う予定である。
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