2022 Fiscal Year Annual Research Report
自律分散型社会に向けた地域循環資源としての石材供給と効果的活用システムの構築
Project/Area Number |
22H03886
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
樋口 明彦 九州大学, 工学研究院, 准教授 (30315105)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田浦 扶充子 九州大学, 工学研究院, 特任助教 (50917961)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 歴史的石積み / 分解調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
① 地場産石材を活用した工法の景観・環境・地域経済性への評価 既往の知見および成果から地場産石材を活用した歴史的石積みの構造・工法を抽出し、整理した。専門家レベル、一般技術者レベル(公共工事の発注担当者である県・基礎自治体職員や工事を請け負う地元建設事業者など)、市民レベル(農家や畜産家など)、それぞれのレベルで、「語り」「つくる」ことの出来る構造・工法を分類した。その工法および現在一般的な工法で作られた景観の印象評価を行い、それらの工法による地域景観への影響を明らかにした。具体的には、市民および阿蘇を訪れる観光客を対象としたアンケート調査を実施した。 二酸化炭素排出量について、既往研究の手法を用い、地場産石材を活用した工法を採用した構造物と現在一般的な工法それぞれについて、建設材料の生産・輸送、施工にかかる重機等の直接工事にかかる全過程での二酸化炭素排出量を計算し、比較考察を行った。地域経済循環については、既往研究の手法を用いて、直接工事費・間接工事費のうち、地域外に流出する金額と地域内で循環する金額について、自治体職員・地元建設事業者らとともに積算を行い、地域循環率を示した。 ② ケーススタディ:歴史的石積みの分解調査と評価 ①で明らかにした工法および既往研究により、景観への評価の高い実在する歴史的石積み擁壁について、分解調査を行い、設計・材料調達・施工手法について把握した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナ禍により、フィールド調査の進捗に当初は遅れが見られたが、秋以降活発に活動を実施できるようになり、概ね遅れを取り戻すことができたと考えているため。
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Strategy for Future Research Activity |
ご協力いただいている地元自治体、地域建設業関連団体等の方々にも引き続きご支援を仰ぎ、申請当初の研究計画に沿って、鋭意研究を推進していく予定。
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